「天竜舟下り」再開へ 長野県飯田市 新会社が事業承継


天竜川の自然、文化を体験できる長野県飯田市の「天竜舟下り」

4月中旬に本格オープン

 和船で天竜川を下る長野県飯田市の「天竜舟下り」が運航を再開する。運営会社の事業撤退に伴い、新会社「南信州リゾート」(本社・飯田市)が事業を受け継ぎ、再開を準備中。2月19日にプレオープン、4月中旬に本格オープンする。新会社は、下伊那エリアの自治体、企業、団体が出資している南信州観光公社の子会社で、流域一体で観光の活性化を目指す。和船下りを体験型のプログラムに磨き直すほか、ラフティングなどのアクティビティの提供を収益の新たな柱にする。

 天竜舟下りは、天竜川流域の水運、造船の文化を背景に和船観光事業として始まり、約100年の歴史がある。飯田市内の時又港―弁天港間の約6キロを運航してきたが、2021年12月から運航休止が続いている。運営会社の信南交通が舟下り事業から撤退。南信州観光公社が事業を継承することになり、会社分割方式で設立された南信州リゾートを子会社化した。

 南信州リゾートの代表取締役社長には、長野県阿智村のDMO、阿智昼神観光局代表取締役の白澤裕次氏が就任した。取締役には、南信州観光公社代表取締役の高橋充氏と、体験型観光の教育旅行への普及に取り組む体験教育企画代表の藤澤安良氏。監査役にはホテル三宣(浪漫の館月下美人)代表取締役の児島博司氏が就いた。社員は船頭、営業など8人。この他に南信州観光公社との兼務で営業経営支援に当たるスタッフなどがいる。

 新たに発足した南信州リゾートは経営のビジョンとして、「リニア時代に向かって、南信州を世界のリゾートにする」「和船文化の伝承のために変わり続ける」などを掲げている。リニア中央新幹線の開業を見据えながら、和船下りを起点に多様な体験プログラムを展開し、周辺の宿泊・観光事業者などと連携したリバー・ツーリズムを活性化させ、国内外の旅行者を誘客する。

 今後の事業展開としては、天竜舟下りを従来型の川下り観光にとどめず、水運の歴史や和船の文化を展示で学んだり、操船や造船をAR(拡張現実)で体感できたりする体験プログラムに磨き上げる。このため展示や体験の機能を備えた施設を時又港に整備する。

 同時に南信州リゾートは、ラフティングやカヌーといったリバー・スポーツアクティビティの提供を強化する。地域の観光関係者とも連携し、流域で展開されているサイクリングやナイト・ミュージアムなど、新たな魅力を備えた観光コンテンツと組み合わせた商品造成を推進していく。

天竜川の自然、文化を体験できる長野県飯田市の「天竜舟下り」

 
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