
シンポジウムはリアルとオンラインのハイブリッドで行われた
山ノ内、陸前高田の事例紹介
日本観光研究学会(梅川智也会長=國學院大學観光まちづくり学部教授)は6月25日、立教大学新座キャンパス(埼玉県新座市)でシンポジウム「地域と連携した『観光教育』の在り方を再考する」を開いた。各地で行われているインターンシップなど観光教育の二つの事例を紹介。「受け入れ地域があることは学生にとって財産。地域と連携した教育のカリキュラム作りが一層求められる」と登壇した観光教育の関係者らが語った。
観光教育の受け入れ地として、長野県山ノ内町と岩手県陸前高田市の二つの事例を取り上げた。
長野県渋温泉などで旅館運営を手掛ける株式会社ヤドロク(本社=長野県山ノ内町)は、観光業に特化したインターンシッププログラム開発を手掛ける一般社団法人観光教育・インターンシップセンターを組織。山ノ内町の宿泊施設で観光や地域活性化について学ぶほか、コミュニケーション能力を身に付けてもらうインターンシップ事業を2015年から行い、これまで約500人の学生を受け入れている。今夏も85人の大学生が参加の予定という。地域での観光を実体験するフィールドワーク、体験のレポート発表と、旅館での就労体験にとどまらない充実したプログラムとなっている。
ヤドロクの代表取締役で同センターの代表理事を務める石坂大輔氏は「地域で働きたいという意気込みのある学生が多く、当社は3年連続でインターン参加学生を採用している。旅館で働く人材も大事だが、地域をどのような方向に持っていくか、地域を経営するリーダーが必要。気概のある学生を取り込みたい」と述べた。
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