「国内宿泊数、4年連続減」と観光白書


 国内宿泊旅行の実施回数、宿泊数の下降が止まらない。政府の2010年度版観光白書によると、09年度中の国民1人当たりの国内宿泊観光旅行(業務、帰省は含まない)は、年間回数が前年度の1.51回から1.42回に減少。年間宿泊数も2.36泊から2.31泊に下がった。宿泊数は4年連続のダウンだ。国内宿泊観光旅行が年間0回だった人の割合も33%に上っている。

 数値は観光庁の旅行・観光消費動向調査に基づく暫定値。四半期ごとに全国、各年齢層の約6千人から回答を得て推計した。09年度には秋の大型連休「シルバーウイーク」や新型インフルエンザの流行など、プラス、マイナスそれぞれの要因があったが、年間の平均値としては前年度から微減となって表れた。
 宿泊数では、観光立国推進基本計画の目標、年間4泊(目標年次10年度)との差がさらに広がった。現行の統計手法になった03年度以降の最高値、05年度の2.89泊と比較すると、0.58泊分も減少している。回数の最高値も05年度の1.77回で、減少幅は0.35回と大きい。

 旅行回数、宿泊日数の減少要因について、観光庁の矢ヶ崎紀子・観光経済担当参事官は「新型インフルエンザの影響などは確かにあるが、根本には国内宿泊観光の低迷がある。回数0回の割合は各年代とも3、4割に上る。若年層の旅行離れも心配だ」と指摘。「このままで国内旅行の市場規模を維持できるだろうか。世代ごとに旅行環境の課題を整理し、振興策を検討する必要がある」と述べた。

 年齢層別の年間旅行回数は、20代男性の1.11回(前年度1.31回)、30代男性の1.10回(同1.52回)が特に低い。旅行意欲が高いとみられていた60代も、新型インフルエンザの影響や景気後退のためか、男性が1.82回(同1.93回)、女性が1.61回(同1.89回)と前年度より下降した。

 国内宿泊観光旅行の実施率を年齢層別にみると、年間0回だった人の割合は、50代女性と70代女性で40%台と高かった。30代を除く男性と、40代と60代の女性も30%台に上った。男性30代と女性の20代、30代は20%台だった。

 
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