
住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届け出住宅数は、2020年4月以降、事業廃止によって減少している。11月10日時点の届け出住宅数は、4月10日時点に比べて1484件減の1万9901件となった。観光庁が事業廃止の理由を調査した結果、新型コロナウイルスの流行などに関連して「収益が見込めない」が最多の回答だった。
民泊新法が施行された18年6月以降、事業の届け出は増え続け、20年11月10日時点の累計は2万7708件に達した。しかし、事業廃止の累計が7807件に上り、届け出住宅数は、20年4月10日時点の2万1385件をピークに減少傾向にある。
観光庁は自治体の協力を受けて、住宅宿泊事業の廃止を届け出た事業者に理由を複数回答で聞いた。調査の期間は9月8日~10月18日。回答件数は289件。
廃止の理由で最も多かったのは、「収益が見込めないため」で全体の49.1%(142件)。コロナ禍を要因とする事業廃止がほとんどだった。19年11月に実施した同様の調査では、収益面を廃業の理由に挙げたのは7.2%に過ぎなかった。
「旅館業または特区民泊へ転用するため」は18.0%(52件)。前回調査(19年11月)では57.8%に達し、理由のトップだったが、大幅に減少した。「旅館業・特区民泊以外の用途へ転用するため」は8.3%(24件)となった。
主な自治体の11月10日時点の届け住宅数(増減は4月10日時点との比較)は、大阪市2106件(436件減)▽札幌市1740件(648件減)▽東京都新宿区1588件(47件増)▽沖縄県(那覇市除く)963件(増減なし)▽福岡県920件(120件減)▽東京都豊島区903件(73件減)。