「厳しい状況も、悪化に歯止め」 内閣府5月調査


 内閣府がこのほど公表した今年5月の景気ウォッチャー調査では、景気の現状判断DI(季節調整値)が前月比7.6ポイント増の15.5だった。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが上昇した。「新型コロナウイルス感染症の影響で極めて厳しい状況にあるものの、悪化に歯止めがかかりつつあり、持ち直しへの期待が見られる」(内閣府)。

 DIは地域の景気の動きを観察できる宿泊業、商店、飲食店などの「ウォッチャー」に景気の現状や先行きを「良い」「やや良い」「どちらともいえない」「やや悪い」「悪い」の5段階で判断してもらい、結果を数値化したもの。

 3カ月前と比較した景気の現状判断DIは4カ月ぶりの上昇。家計動向関連では、飲食関連が11.7ポイント増の8.6、小売関連が8.9ポイント増の19.4、サービス関連が8.4ポイント増の11.9、住宅関連が7.8ポイント増の17.2で、いずれも上昇した。

 2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは同19.9ポイント増の36.5。サービス関連が23.3ポイント増の41.7、飲食関連が17.9ポイント増の34.7など、全分野のDIが上昇した。

 地域別では、全国12地域全てのDIが上昇した。上昇幅が最も大きかったのは九州で13.0ポイント増の20.0。最も小さかったのは南関東で3.5ポイント増の12.3。

 景気の判断理由で主な回答は次の通り。

  「現状は変わらない。県独自の宿泊施設支援も打ち出しており、6月中旬以降から宿泊の予約件数が上がってくるのではと推測している」(現状、不変、東北、観光型旅館)。

 「緊急事態宣言を受け現在休業中である。夏休みの短縮が決まり、期待していた8月の旅行まで取り消しが発生してきている。6月から営業予定だが、海外渡航14日間の待機措置や県外移動が自由にならないと、どの方面を販売すればよいか不透明なままで不安である」(現状、悪、東海、旅行代理店)。 

 「22日まで臨時休園をして、23日からようやく新型コロナウイルスの感染対策を講じて再開している。山場のゴールデンウイークを営業できなかったのは開園以来初めてで、売り上げへの影響は甚大である」(現状、悪、東北、遊園地)。

「新型コロナウイルス感染症による休業要請の影響で、採用活動を中止する企業が続出していることと、飲食、宿泊サービス業の企業で倒産するケースが増えている」(現状、悪、南関東、職業安定所)。

 「6月1日から時間短縮での営業を再開することにした。休業中の今が最底辺であるため、今後は、少しずつでも日常を取り戻していけると期待している」(先行き、やや良、北海道、観光名所)。

 「新型コロナウイルスの影響で、特に、観光収入の比率が多い近隣の市では、インバウンドも含めた観光客が戻ってくるのは、はっきりといつ頃までとは言えない状況だが、ホテル等の見方だと、本当に稼働が元に戻るのは2~3カ月か半年後くらいではないかという話である」(先行き、やや良、北関東、人材派遣会社)。

 「新型コロナウイルスが収束すれば、今月よりはやや良くなると期待している」(先行き、やや良、南関東、観光名所)。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒