群馬県渋川市と渋川伊香保温泉観光協会、関越交通、ヤマト運輸は17日、観光客の手荷物を渋川駅から伊香保温泉の各旅館に当日配送する「手ぶら観光サービス」を始めた。実証実験として来年1月31日まで実施する方針だ。
関係者によると、多くの観光客は手荷物を抱えたまま移動、身動きがとりずらいために十分に観光を楽しめず「周遊観光や伊香保温泉街での滞在時間が短くなってしまうなどの課題があった」という。
サービスは関越交通の路線バスを活用した「客貨混載」の形をとる。
まず、渋川駅にある駅前プラザで午後2時までに預かった手荷物をヤマト運輸のドライバーが関越交通の路線バスに積み込む。駅を出発した路線バスは通常通り客を乗せて運行しながら伊香保温泉停留所に向かう。停留所でヤマト運輸のドライバーが路線バスから集配車に手荷物を積み替え、各旅館に4時半までに届ける。
利用料金は手荷物1個に付き500円。縦・横・高さの合計が160センチで、重さ25キロまでの手荷物が対象となる。市が運賃の一部を負担することで一律料金とした。
実証実験の結果を踏まえ、「今後は増加する訪日客を含む多くの人に、より便利で快適な観光を楽しんでもらうための取り組みを検討していく」としている。
手ぶら観光サービスの開始を発表、握手する(左から)関越交通の佐藤俊也社長、渋川市の高木勉市長、渋川伊香保温泉観光協会の大森隆博会長、ヤマト運輸北関東支社の松田弘士支社長