ドームテントで新グランピング提供
レジャー施設運営のハンズアウトドアリゾート(横浜市)は、2020年に開業した「グランピングヴィラハンズ河口湖」(山梨県富士河口湖町)内にドームテント16棟を開業し、富士山の麓での新たな滞在型アウトドア体験を提案している。一般的なグランピングとは一線を画す「不便を楽しみ、心ゆくまで疲れる」同施設を体験し、その魅力に触れた。
ドームテントの外観
昨夏に開業した「ドームテントエリア」は、静寂な雰囲気の森林の中に約3600平方メートルのゆったりとした滞在空間として広がる。澄んだ空気と、ガラス瓶で常時くめる富士の天然水は同施設利用者にとって実に魅力的なごちそうだ。
同エリア内の宿泊用テントは15棟(受付棟が1棟)。内部にはベッドを設け、厳冬期にも対応できるようヒーターも完備している。テントごとにトイレと簡易シャワーを備えた別棟を併設するなど、グランピング滞在に関する快適性をできる限り高めた宿泊用テントとなっている。
ドームテントの内部
同エリアの魅力の一つが、どこまでも自力で行えるアウトドア体験。シェフが目前で料理を仕上げて提供したり、ほぼ完成した料理を屋外で味わうグランピング施設も多い中、同施設のドームエリアでのバーベキューでは、火を起こしまきに着火するための木の枝探しから体験できる。火を起こしてまきを燃やし、それを調理用オーブンやストーブに移すところまで、各工程を現地スタッフ指導のもと宿泊者が自ら行う。「最初は難しいと感じる方も多いが、慣れると積極的に動いて下さる」とのスタッフの言葉通り、丁寧なアドバイスや指導のもと作業を進め、火が安定して燃え食材を焼ける段階に至ると、参加者はトングを片手にバーベキューを堪能する。木の枝探しから調理までそれ相応の苦労と時間を要するが、この非日常的な「不便さ」「大変さ」こそが同施設で過ごすメリットで、完成した食事をより一層おいしくしてくれる。
火起こしから調理まで全て自分で行う
「バーベキューなどのアクティビティで不便を楽しみながらも、トイレやシャワーなどの整備にも注力したので、広々とした室内が特徴的なテントを中心に快適に過ごしていただける」と同社担当者。「不便」と「快適」が心地良く共存する同施設のドームエリアは、開業直後ながら多くの利用者を集め、各所で高得点のレビューを受けている。開業後初めて迎える今夏に向け、「広場がビアガーデンのようになって、また新しい姿を見せてくれるはず」との思いを胸に、サービス向上への準備をさらに進める。ドームテント1棟当たりの利用料は3万7100円(消費税込み、素泊まり利用時)から。
まき割体験
ドームテントエリアに先立って一昨年に開業した「ヴィラエリア」はコテージタイプのグランピング施設で、全20棟。富士山の眺望が美しく、ジェットバスやロフトを室内に備え、バーベキュー用テントを各棟に併設する同エリアは、個人客に加え団体客の利用も多く、昨年には教育旅行も受け入れた。ドームテントエリア同様、個人から団体まで幅広い顧客用途に対応している。
同社施設に関する問い合わせは同社ホームページ(https://gv-hanz.jp/)、TEL0555(72)8282。
ヴィラの背景には雄大な富士山