全国カラオケ事業者協会(東京都品川区)はこのほど、カラオケ機器メーカーや機器販売・レンタル業者、機器設置店舗、カラオケ利用者らを対象に、昨年度の利用状況などについてのアンケート調査の結果をまとめた「カラオケ白書2017」を公表した。調査結果のうち本紙では、旅館・ホテルの回答(411施設)をまとめた「旅館・ホテル編」の内容の一部を紹介する。(本文中の数値は一部複数回答あり)
1・56万台、50億円
同協会では毎年、カラオケ業界の現状把握を目的に調査を行い、経年動向をまとめている。「カラオケ白書2017」は、初回の白書発行から22回目となる。
2016年度の業務用カラオケのユーザー市場規模は、約38・7万台、約6029億円。前年度より136億円減だった。
旅館・ホテルでカラオケを導入している施設数は5192施設(JASRAC調べ)。今回のアンケート結果から、1施設当たりのカラオケ台数は約3台のため、旅館・ホテル市場のカラオケ台数は約1万5600台。1施設当たりの月間平均貸出経費(推計値)は約8万円。これらから算出した同市場の規模は年間約50億円になる。
重要度認識は半数超
客へのサービスとしてのカラオケの重要度について、旅館・ホテル経営者に聞いたところ「非常に重要」「まあ重要」と回答した割合は計53%。現在行っている利用促進策は「室内インテリア・舞台装置の改善」が最も高く、次いで「新曲を早く導入」「ハード面の音響や映像の向上」「新機種導入」などの回答順だった。
機種選定のポイントは「曲そろえが充実」「歌いやすさ」「総曲数の多さ」「音質の良さ」など。
「入れ替えしない」が半数
機器入れ替え予定は「入れ替えるつもりがない」がほぼ半数で「入れ替えたいが資金的に困難」と合わせると65・7%に達した。「全面的または一部を入れ替え」は4・6%にとどまった。
機器入れ替えのタイミングは「古くなった時」が40・3%、「故障した時」が32・7%。「定期的に入れ替えるつもり」が7・7%で、入れ替え頻度の平均は70・7カ月、これは6年に一度程度になる。
業者選定のポイントは「アフターサービス」が57・1%で最も重視されている。「値引き額」は21・2%、「適正な価格表示」は14・3%で、価格が決め手にはなっていない。
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旅館・ホテルを対象にした同調査は今年2月、事業者千人を対象に実施し、504人から回答を得た。調査対象の平均客室数は65・3部屋だが、中小規模の「29部屋以下」が約38%、「30~49部屋」が約20%と、合計で6割近くを占める。