「にっぽんの温泉100選」群馬・草津温泉が7年連続1位


 草津温泉(群馬県)のトップは今年も揺るがなかった──。観光経済新聞社は1日、後援する観光関連9団体とともに第23回「にっぽんの温泉100選」審査会を観光経済新聞社本社(東京都台東区)で開いた。各団体からの代表者が厳正に審査し、まさに名称通り、日本を代表する人気温泉地を決定。草津温泉が7年連続となる1位に輝いた。2位の登別温泉(北海道)も不動。前回4位の由布院温泉(大分県)が3位に入った。

 旅行のプロである旅行会社の投票によって選ばれる、にっぽんの温泉100選。7月1日から10月末までの投票期間にJTBやKNT、日本旅行をはじめとする大手・中堅の旅行会社や、じゃらんnetや楽天トラベルなどネットエージェントから集まった投票はがきは1万3216枚(同1万2721枚)を数えた。記載不備や組織票の疑いのある83枚(前回119枚)は除外。1枚のはがきに最大5カ所の温泉地を記入でき、総投票数は3万7730票(同3万6638票)となった。

 草津温泉は名物の「湯畑」を中心に、旅館・ホテルが建ち並び、まさしく温泉街というムードを醸し出す。「泉質主義」を打ち出すほど泉質には絶対の自信を示す。周辺には白根山や湯釜といった観光スポットも多く、ハイキング、スキーなど温泉以外の楽しみ方も提供できるのが、旅行会社が支持する理由の1つとなっている。

 2位の登別温泉は北海道を代表する温泉地。硫黄泉、食塩泉、名ばん泉など泉種が数多いことから「温泉のデパート」と呼ばれる。アジアを中心に外国人訪問客が増えており、インバウンドの取り組みにも熱心だ。

 4位は黒川温泉(熊本県)、5位は別府八湯(大分県)で、それぞれ前回よりワンランクの上昇。共に泉質が良く知名度も高い温泉地であり、上位は妥当だが、今回の順位の変動は指宿温泉(鹿児島県)が3位から7位に順位を下げたため。指宿の下降はNHK大河ドラマ「篤姫」効果の反動が要因と言えそうだ。

 このほか、道後温泉(愛媛県)が9位から6位に、城崎温泉(兵庫県)が12位から10位に上昇したことが注目される。

 審査会では「ベスト10内に大きな変動はなく、総じて、地域づくりでそれなりの取り組みをしている温泉地が上位に顔を出している」と解説する。一方、100選の下位は「頑張っている温泉地が急上昇している」との意見があがった。地域振興の努力度合いが、ランキングに大きく反映されていることがうかがえる。

 にっぽんの温泉100選を実施する目的は2つあり、1つは、旅行者に支持されているその年の人気温泉地を把握すること。そしてもう1つが、温泉地ランキングに刺激を受けて、全国の温泉地が地域の魅力に磨きをかけてもらうためだ。今回で23回を迎えたが、ランキング状況から判断すれば後者の目的にはつながっているようだ。

厳正な審査を行った100選審査会 (観光経済新聞社本社会議室で)

 
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