帝国データバンクによると、旅館経営の別所観光ホテル(長野県上田市)は、7月13日までに長野地裁上田支部へ自己破産を申請した。負債は5億100万円。長野県内で新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は8件(7月27日現在)。
同社は1957年創業、73年5月に法人改組。別所温泉で「別所観光ホテル」の経営を手掛けていた。県内の有力温泉地に数えられる別所温泉の高台に位置し、温泉街を一望できる源泉掛け流しの展望露天風呂などを擁して集客を図り、宿泊需要のほか宴会需要にも対応。2014年4月期には年収入高約2億4千万円を計上していた。
しかし、近年は集客の伸び悩みが続き業績が低迷。屋号を「かわせみの宿」に変更してリニューアルする一方、さまざまなプランを提供するなどして立て直しを図ってきたが、19年2月期(18年に決算期変更)の年収入高は約1億9300万円にとどまり、収益も低調に推移していた。この間、金融機関の債権が譲渡されるなど厳しさを増していたところ、今年に入り新型コロナウイルスの影響で業績が大幅に悪化。先行きの見通しが立たず、5月25日付で事業を停止していた。