ジェイアイ傷害火災保険、2016年度 海外旅行保険事故データを公開


 ジェイアイ傷害火災保険は7日、2016年度 海外旅行保険事故データ(2016年4月~2017年3月)を発表した。

 ジェイアイ傷害火災保険株式会社(本社:東京都中央区晴海1-8-10晴海アイランド トリトンスクエアオフィスタワーX 16階、社長:新保 稔)は、2016年度の海外旅行保険契約者の事故発生状況についてまとめました。

 この調査は、事故データを開示することで海外旅行保険の認知を高め、安心して海外旅行に出かけられるよう毎年実施しているものであり、1996年の調査開始以来、今年で22回目となります。

1. 事故発生率:
 2016年度の事故発生率は、3.40%(29人に1人)となりました。

2. 補償項目別事故状況:

 補償項目別の事故件数は、ケガや病気の治療費用や医療搬送費用等を補償する「治療・救援費用」が最も多く、次いで手荷物の盗難、破損を補償する「携行品損害」、偶然な事故における出費を補償する「旅行事故緊急費用」が続いています。ヨーロッパやアフリカでは「携行品損害」、アジアやオセアニアでは「治療・救援費用」、ヨーロッパ、中南米、グアム・サイパンでは「旅行事故緊急費用」の割合が多くなっている等、地域により事故の状況が大きく異なります。

3. 高額医療費用事故:

 「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円以上の高額医療費用事故は世界各地で発生していますが、特に欧米で多くなっています。なお、当社で2016年度「治療・救援費用」の支払いが300万円以上の高額医療費用事故は70件、その内1,000万円を超えた事故は7件となっています。

4. シニア層(65歳以上)の事故割合:

 高額医療費用事故のうち、シニア層(65歳以上)が半数弱を占めています。肺炎等の呼吸器疾患、脳疾患、心疾患、転倒による骨折等が主な原因となっています。なお、シニア層の高額事故発生率は65歳未満の約4倍となっています。

 海外旅行保険に加入せずにクレジットカード付帯の保険のみや無保険で渡航される人もいますが、海外では保険などで支払い保証ができないと十分な治療を受けられない場合もあり、時に命に関わります。

 海外では、日本と比較し医療費自体が非常に高額な場合も多く、医療通訳費や帰国のための医療搬送費等、日本では生じない費用が必要となる場合もあるため、当社では高額な医療費への備えに向けて十分なプランをお勧めしております。

 また、海外で多数の重症事故が発生している事態を踏まえ、当社では、事故に遭った際の事故対応や保険金支払いだけでなく、お客様が安心・安全に海外旅行を楽しんでいただくための取組みを強化しています。

 その一環として、海外旅行における事故を予防するため、様々なリスクへの対策を記載した情報ツール「みんな安心BOOK」の提供を実施しています。
http://kaigai-service.com/book  (パソコンやスマホから閲覧できます)

2016年度 海外旅行保険事故データ(ジェイアイ傷害火災保険調べ)

1.事故発生率:3.40%(29人に1人)

■事故発生率   :3.40%(昨年度より0.2%減少)
■事故に遭う確率 :29人に1人(当社の保険金支払件数/当社保険加入者数)

 2016年度の海外旅行中の事故発生率は3.40%となりました。これは29人に1人が何らかの事故に遭っている計算です。

 海外では、気温や衛生環境、食事や水質等が異なること、また長時間の移動や時差等により体調を崩しやすく、併せて犯罪率が日本と比較して全般的に高いことから事故に遭いやすい状況にあるといえます。

 航空便の欠航や遅延時の食事代やホテル代等、旅行行程上の偶然な事故を補償する「旅行事故緊急費用」に代表されるように、海外旅行保険の役割が重大事故だけでなく、海外旅行中によく発生するトラブルを包括的に補償する傾向になっていること、併せて従来対象外であった慢性疾患(持病)の治療費用等も所定の条件のもとで補償の対象とする等、カバーの範囲も広がっている傾向にあります。

【海外旅行保険の事故発生率】

※29人に1人が何らかの事故に遭っている計算となります。

2.補償項目別 事故発生割合の状況(全地域)

■ 1位:治療・救援費用(51.5%)、2位:携行品損害(30.9%)、3位:旅行事故緊急費用(13.7%)

 海外旅行保険で最も事故件数が多い補償項目は「治療・救援費用」(事故発生割合51.5%、前年比+2.5%)で、ケガや病気による治療費用、救急車等の交通費や医療通訳費、入院した際に家族が現地に駆けつける場合の渡航費用、日本や第三国までの医療搬送費用等を補償します。

 次いで多いのが「携行品損害」(事故発生割合30.9%、前年比△1.6%)であり、パスポート、スーツケースやカメラ、携帯電話等の手荷物の盗難や破損を補償します。
3番目は「旅行事故緊急費用」(事故発生割合13.7%、前年比△0.2%)であり、航空機の遅延や欠航、航空会社に預けた手荷物が現地に届かない等、予期せぬ偶然な事故により負担を余儀なくされた費用(交通費、宿泊費、食事代、身の回り品購入費等)を補償します。

 上位3項目で、全体の96.1%に達しています。なお、この順位は、当社が「旅行事故緊急費用」を発売した2006年以降変動していません。海外旅行保険の最も重要な役割が、旅先でのケガや疾病の治療費等の身体に関わる補償であることは変わりませんが、手荷物の破損や航空機の遅延時等、様々なトラブルに対し海外旅行保険が利用されていることがわかります。
 

【補償項目別事故発生割合の状況(保険金支払件数ベース)】

注1)記載の以下項目は(  )内を含みます。
①治療・救援費用(傷害・疾病治療・救援者費用、疾病応急治
療・救援費用)
②携行品損害 (生活用動産)
③旅行事故緊急費用 (航空機遅延、航空機寄託手荷物遅延)
④個人賠償責任 (家族総合賠償責任)
注2)上記「旅行キャンセル・中断」とは「旅行キャンセル費
用」、「旅行中断費用」を合わせた項目となっております。

3.補償項目別 事故件数の状況(地域別)

■ヨーロッパ : 「携行品損害」の事故が多い
■アジア・オセアニア :  「治療・救援費用」の事故が多い
■グアム・サイパン : 「旅行事故緊急費用」の事故が多い

 地域別に補償項目別事故件数を集計した結果、前年度に引き続き、地域による特徴が顕著となりました。

 ヨーロッパへの旅行の場合、便の乗り換えのため、荷物の積み替えがある場合が比較的多く、スーツケースの破損が相次いでいます。また、周囲に対する警戒心が乏しい傾向のある日本人は、外国の犯罪者の目には「容易な標的」としてスリ等に狙われやすいといわれています。このような理由から、盗難被害も多数発生し、「携行品損害」の割合が多くなっています。

 アジアは、地域により衛生環境が良好とはいえず、気候も日本とは異なります。このため、腹痛・風邪等の病気が発生しやすく、「治療・救援費用」の割合が多くなっています。
 
 グアム・サイパンは、航空機の遅延や欠航時の費用を補償する「旅行事故緊急費用」の割合が多くなっています。

【補償項目別事故発生割合(保険金支払件数ベース)】

4.高額医療費用事故 (治療・救援費用保険金支払)

■2016年度は治療・救援費用保険金支払額1,000万円以上の事故が7件発生

 2016年度は治療・救援費用保険金支払額1,000万円以上の高額医療費用事故が7件発生しております。

 例えば、これがクレジットカードの保険のみ(ゴールドカードでも治療費用・救援費用ともに200~300万円程度)であった場合は、多額の自己負担が発生する可能性がありました。支払いが難しい場合は、必要な医療サービスの提供が受けられないことにつながり、命に関わる場合もあります。

 海外旅行保険は、加入の有無だけでなく、加入しているプランの補償内容も重要だといえます。

【高額医療費用事故(治療・救援費用保険金支払) TOP5】

【参考】「治療・救援費用」保険金額「無制限」選択割合

①全体:約5割

 当社の海外旅行保険加入者のうち、約5割のお客様が「治療・救援費用」の保険金額「無制限」のプランを選択しています。

②インターネット・企業包括契約を除いた場合:約7割

 インターネット契約や企業包括契約を除き旅行代理店等で海外旅行保険に加入したお客様に限ると、約7割のお客様が「治療・救援費用」の保険金額「無制限」のプランを選択しています。

 海外の高額な医療費用に対応するため、余裕を持った保険金額が望ましいといえます。

 事故に遭った後で(当該事故に対する)保険金額を増額することはできませんので、事前に海外旅行保険のプランをよく検討する必要があります。

5. 高額医療費用事故(治療・救援費用保険金支払300万円以上)件数推移・シニア(65歳以上)割合

■発生件数は70件
■「治療・救援費用」の高額医療 

費用事故のうち、半数弱がシニア層(65歳以上)

 「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円以上の高額医療費用事故の2016年度の発生件数は70件となりました。

 「治療・救援費用」の大半は現地治療費や医療搬送費等となりますが、現地通貨(場合により米ドル)建てでの請求となるため円安が進むことで円ベースでの支払いが増加します。併せて全世界的に医療費が上昇傾向にあることも、その要因となっています。
高額医療費用事故を年代別でみると、シニア層(65歳以上)が半数弱を占めています。アクティブなシニア層が増加しているといわれていますが、転倒による骨折や脳疾患、心疾患、肺炎等により入院や手術、医療搬送などが必要となり、高額となるケースが多発しています。

 なお、シニア層(65歳以上)の高額医療費用事故発生率は65歳未満の約4倍となっており、特に注意が必要です。

【高額医療費用事故件数推移】

 

 


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