環境省、「新・湯治」推進プランを提示


 自然などの地域資源を活かした温泉地活性化策を検討していた環境省は7日までに、「新・湯治推進プラン」をまとめた。プランの柱は、(1)楽しく、元気になるプログラムの提供(2)温泉地の環境づくり(3)新・湯治の効果の把握と普及、全国展開―の三つで、今年度内をめどにプラン実現のためのロードマップを作成する。

 自然等の地域資源を活かした温泉地の活性化に関する有識者会議(座長、下村彰男・東大大学院教授)で議論。現代人のライフサイクルにあった温泉地の過ごし方を「新・湯治(ONSEN stay)」として提案、その推進のために必要な考え方や方策を推進プランとしてまとめた。

 新・湯治の目的は、(1)温泉地を訪れる人が温泉入浴に加えて、周辺の自然、歴史・文化、食などを活かした多様なプログラムを楽しみ、地域の人や他の訪問者と触れ合い、心身共に元気になる(2)年代、国籍を問わずに楽しめる(3)滞在期間を問わないが、より長期の滞在を行う―こととした。

 3本柱実現のための具体的な実施内容は、まず「楽しく、元気になるプログラム」では、「温泉地は、資源を損なわず、質が確保されるようなルールのもとで、可能であればガイドシステムを導入するなどによる充実したプログラムを提供する」とした上で、▽温泉地を拠点とした周辺の国立公園、世界遺産や文化財などを巡る広域周遊ルートの設定▽泉質を活かした入浴プログラムや温泉での湯中運動など新たな入浴プログラムの開発―を求めた。

 また、「温泉地の環境づくり」では、「にぎわい創出のためより積極的にまちに人が繰り出し、まち全体を楽しんでもらう仕掛けが必要」と指摘、▽外湯巡りの充実など、旅館だけの滞在からまちに人が繰り出す仕掛けづくり▽特別な場所に来たことを感じさせる演出▽温泉地全体でインバウンドを受け入れるための仕組みづくり―などを具体例として挙げた。

 資源の一体的な評価と保全にも触れ、温泉資源の適切なモニタリングの継続実施や温泉の集中管理、温泉熱を活かしたロードヒーティングなどへの取り組みを提言。

 「新・湯治の効果の把握と普及、全国展開」では、環境省が調査フォーマットを提示し、全国の温泉地と温泉療法医らが連携してデータを蓄積・評価・公開する仕組みづくりを実施するほか、新・湯治やONSEN stayを普及させるための統一ロゴマークの作成にも言及。

 このほか、推進体制の構築では、DMOやDMCとの連携、入湯税の活用などを検討する考えも示した。

 
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