ホテル旅館向けシステムのタップはこのほど、「創業30周年記念式典」を千葉県浦安市のホテルオークラ東京ベイで開いた。約600人が出席した。
同社創業者である林悦男代表取締役会長=写真=は、同社30年の歩みを振り返る中で、「元々IHIで造船や原発の社内生産管理システムを開発していたが、独立起業し、宿泊施設向けシステムだけを30年間やってきた。今後もホテル旅館向け以外はやらない」と強調した。
また、1989年に開始したホテル向けパッケージシステム販売が契約800施設、2000年に始めたPC用POSシステム販売が契約1300ライセンス、01年からのAPS(クラウド)サービスが契約施設の75%の規模に成長したと報告。
今後の展開については、沖縄IT津梁パーク内に研究実験ホテルを建設・運営する計画であること、小規模宿泊施設向けシステム「アコモド」を近々リリースすることなどを挙げた。アコモドについては、「これまでITの恩恵を受けてこなかった10室、20室規模の小規模宿泊施設に安価で使いやすいシステムを提供する」と語り、宿泊産業界に対する同社の使命感をにじませた。
30周年記念講演「続・観光立国論」ではデービッド・アトキンソン氏が登壇。
同氏は「インバウンド客誘致は、感覚ではなくデータに基づいたマーケティング活動として行うべき」「日本には富裕層が満足できる国際水準の5つ星ホテルが不足している」などと指摘した。その上で「日本の観光業界の未来は、行政でも私でもなく、当事者である宿泊施設の皆さまにかかっている」と述べ、宿泊業界に熱いエールを送った。