【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン399】集客イベント企画3 青木康弘


 前回に引き続き、人材や資金に限りのある中小旅館・ホテルでも取り組める、集客イベント企画の進め方を紹介しよう。地域のイベント・催事だけに頼るのではなく、自力で集客イベントを企画できるようになり、閑散期でも売り上げを安定的に確保できる館を目指そう。

 3、責任者を決めて実現に向けて具体化する

 具体的な企画内容を幅出しできたら、項目ごとに実施責任者を決めよう(アイデアの着眼点は前々回コラムを参照してほしい)。実施責任者は、企画の準備からスタッフへの教育、資材調達、当日の現場リーダーが主な役割となる。スタッフ数に余裕のない中小旅館・ホテルならば2~3人程度の責任者でまずは始めてみよう。

 実施責任者とは別にプロジェクトマネージャー(PM)を決めておくとイベントの成功率は高まる。PMは、イベントテーマ決定と企画の幅出しの取りまとめ、各実施責任者に対するスケジュール管理、部門間調整やヘルプ要請が主な役割となる。

 イベント企画は日常業務の合間に準備することになる。当初のスケジュール通りに準備が進まない時に、「お客さま対応で忙しくて準備する時間がなかった」と言い訳がでがちだ。PMを指名しておき、スケジュール管理の甘い実施責任者への指導や督促をしてもらうと良いだろう。

 4、各種媒体で広告宣伝する

 イベントの内容を自社ホームページやSNS、リスティング広告、チラシなどで計画的に事前告知する。季節イベントの場合は、告知が直前になればなるほど集客力が期待できない。できれば3~4カ月前くらいから準備をスタートしよう。エージェントの予約サイトの特集ページは、周知効果としては高いが、過度な期待は禁物だ。

 どこも似たり寄ったりの写真やプランになりがちで、立地や知名度で負ける館であれば目立たず埋もれやすい。あくまでイベント企画を通じて、自館の魅力や独自性を高められるよう努力することをお勧めする。

 次回も引き続き、集客イベント企画の進め方を紹介しよう。

 (山田ビジネスコンサルティング事業企画部部長)

 
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