【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン382】旅・ホの問題解決スキル養成講座10 青木康弘

  • 2017年6月19日

 前回に引き続き、旅館・ホテルの現場ですぐに実践できる問題解決スキルについて分かりやすく説明しよう。前例と勘に頼って安易に解決を図ろうとせず、業務効率や顧客満足度、売上利益を低下させている原因を見抜き、最適な解決策を考える能力を現場スタッフに身につけさせよう。

 9、人心への影響を考える

 理論的に正しい施策であっても、スタッフの心に働きかけ行動を促すことができなければ成果につながらない。問題解決策を実行する時は、スタッフの反応をあらかじめ想定しておくことが大切だ。

 施策に対する反応は、スタッフの仕事に対する意識や価値観を理解することで予想することができる。かつては、がむしゃらに働いて仕事を早く覚えるべきだ、会社に対して忠誠心を持ち上下関係を重視すべきだという考え方が当たり前だったが、今は大きく異なる。

 社内の人間関係が良好であること、労働時間が少なくプライベートが充実できる職場であること、自分の希望する仕事内容であること―が求められるようになった。

 施策によって、仕事の負担やストレスが軽減されることで職場の雰囲気が良くなり、社内の人間関係が改善されたり、早出や残業、休日出勤が減ったり、有給休暇が取りやすくなったりなどの効果が期待できるのであれば歓迎されるだろう。

 旅館・ホテル業として斬新な取り組みだったり、社会的意義のある施策だったりすれば若手スタッフを中心に高いモチベーションが期待できる。一方で、会社の業績向上につながる施策であっても、スタッフの負荷が増える施策は受け入れられないことがある。

 施策は全社で一気呵成に進めることをお勧めする。特定の部門だけ問題解決策を実践しようとすると、「経営者や上司がえこひいきをしている」ようにスタッフに映ってしまう。当事者にその意識がなくても、特定の部門とのミーティングが増えると、他のスタッフは余計な邪推をしてしまうものである。

 管理職になったばかりのスタッフは、人心掌握の経験が浅いことが多い。問題解決策を立案するだけでなく、実行した場合の人心への影響を意識するよう指導したい。

 (山田ビジネスコンサルティング事業企画部部長)

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