【竹内美樹の口福のおすそわけ194】北欧3カ国食の旅~スウェーデン編~ 竹内美樹

  • 2017年9月14日

ラングスティーヌ

 2番目に訪れたのは、スウェーデン王国。スカンジナビア半島の東側に位置し、面積・人口共北欧最大の国だ。首都ストックホルムと言えば、毎年行われるノーベル賞授賞式のイメージが強いが、さすがに製造業が発展しており、世界的な自動車メーカーや家電メーカーが存在する。旧市街「ガムラスタン」は、街の発祥とされる13世紀中世の面影を残し、宮殿では衛兵交代式が行われ、同じ北欧でもフィンランドとは全く雰囲気が異なる。

 だが、食文化においては共通する点も多い。ニシンの登場回数が多く、現地でリンゴンベリーと呼ばれるコケモモをはじめ、ベリー類を多用、トナカイなどのジビエも食される。一番の類似点は、彼らがミートボールをよく食べるということ。フィンランドではどちらかと言うとブラウンソースが多いが、スウェーデンでは白いクリームソースを添えるようだ。

 ストックホルムで1888年創業の歴史を誇るエステルマルム市場へ行きたいと思ったら、昨年4月改装工事のため閉鎖されたという。だが、向かい側に仮設市場を建てて営業していると知り、行ってみると期待以上の充実度。フードコート形式ではなく、それぞれ独立した店舗なので、例えば貝類の店の軒先で牡蠣をいただくと、それで完結しなければならない。アレもコレも食べてみたい筆者、結局2日連チャンで市場ランチとなった。

 初日は、お惣菜屋さんだと思い込んで店先に座った、「Nybroe Smorrebrod」。店名にあるスモーレブロッドというのは、オープンサンドイッチという意味だと後から知った。スモルゴスとも言うそうだ。スウェーデンに限らず、北欧ではパンに何かを載せるというスタイルが多かった。

 ここでは美しく並んだ小さな海老のマヨネーズソースや、牛肉のスモークなど、いずれも下にパンが敷いてあった。「手で剥いた海老」としかメニュー表記がなかったため種類は分からないが、小海老なのにプリップリの食感は、今も思い出すと垂涎モノ。

 翌日は「Lisa Elmqvist」というレストランへ。魚屋さんに「手長海老を食べたい」と尋ねたところ、教えてくれた。日本で手長海老または赤座海老と呼ばれるそのラングスティーヌ、ノルウェーとの国境に近いスウェーデン・スモーゲン産。今まで食した中で一番身入りが良く、食べ応えバッチリ。甘みがあって何もつけなくても十分美味。

 前日と同じ小海老を、マヨネーズやサワークリームで和えてアボカドに載せ、サーモンをトッピングした「アボカド・アレキサンダー」や、お魚のスープ、ロブスターも注文し、シーフードを満喫、大満足!

 新しい市場は来春完成予定。たった2年の臨時営業でも、地元民の台所であり、観光客のオアシスとしてにぎわう様子を見て、東京でもマネできないのかなぁ…とつくづく感じた。

 次号はデンマークで、待望の「新北欧料理」を堪能。お楽しみに!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。


小海老のオープンサンド


ラングスティーヌ


アボガド・アレキサンダー


魚のスープ


ロブスター

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