【体験型観光が日本を変える46】訪日旅行の商談に成果 藤澤安良


 9月21~23日、ツーリズムEXPOジャパンが東京ビッグサイトで開かれた。海外バイヤー(外国の旅行会社など)と国内セラーが訪日旅行の商談を行う「VISIT JAPANトラベル&MICEマート」に、「全国ほんもの体験ネットワーク」として参加した。

 訪日外国人には、日本の田舎のありのままの生活を体験してもらい、交流やコミュニケーションを通して相互理解を深めてもらいたいと考えている。全国ほんもの体験ネットワークは、教育旅行を中心に家主在宅型の民家ステイ、体験プログラムの提供を行っている。北海道から沖縄まで21加盟団体、58組織の情報を提供している。ホームステイの家庭数は5千軒を超え、修学旅行や研修旅行を受け入れている。すでに30を超える国・地域の小学生から大学生まで多様な団体が利用している。

 トラベルマートの3日間では、中国、台湾、東南アジア諸国、オーストラリア、イギリス、フランス、スペイン、スイス、イタリア、ロシア、カナダ、アメリカなどと計26回の商談を行った。総じて言えるのは、全てのバイヤーが体験型観光に興味を持ち、「おもしろい」「素晴らしい」「コースに組み入れたい」などと評価が高かったことだ。

 今年の訪日外国人はすでに2千万人を超えたが、インバウンドの多くは都市型ホテルや観光旅館での滞在であり、農山漁村での民家ステイは数万泊。今後はコースのバリエーションの面からも、外国人のニーズの面からも、日本の田舎に直接触れる機会となる農山漁村での民家ステイを増やすべきだ。ホテルや旅館とは異なる交流とコミュニケーションが、旅の魅力を増大させることになる。

 欧米系の海外バイヤーの多くが、「どんな田舎か」「どこの国からの実績が多いか」「わが国からはどうか」と聞いてくる。しかし、まだ欧米系の実績は少なく、「あなたの国はほとんど実績がないので、他社に先んじて取り組んでほしい」と言うと、検討するとか、考えてみるとかではなく、すぐに「ぜひ取り組みたい」との反応が返ってきた。実績を重んじる傾向が強い日本の旅行会社や学校とは違う。

 欧州では、旅行客の2割程度しか旅行会社を経由しない。ネットなどを使って自ら旅程を企画することも旅の楽しさの一部とされており、旅行会社離れにさらに拍車がかかるのではと危惧されている。だからこそ旅行会社は、常に新しいデスティネーションや企画を提案しなければならないと言う。当然ながらマーケットセンタリング(顧客中心的発想)、ビジネス拡大に対する目的意識が高い。

 商談では、田舎の程度を聞かれて、「スーパー田舎」と答えても通じたりする。「ほんもの体験」の「ほんもの」は「genuin」のイメージと説明しても納得してくれる。すべての商談で「金額が高い」とも「安くしろ」とも言われず、マーケットを先取りし、新しいコンテンツを求めている姿勢が実に心地良く、互いに笑顔で終わることができた。日本の旅行会社が学ぶべき姿勢も垣間見えた。

 
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