【体験型観光が日本を変える 54】人づくり革命に出番 藤澤安良

  • 2017年12月5日

 大手企業の不正やミスが続出している中、またもや、大手の系列会社が自動車や航空機向けなどに出荷した素材製品の検査データを書き換えていたと発表した。出荷先は航空・宇宙、自動車などの関係企業二百数十社に上っている。納入先には防衛省も含まれ、自衛隊の航空機や艦船にも不適合品が使われていたとのこと。米軍機や自衛隊機の相次ぐ墜落には直接関係がないとは思うが、いい気持ちはしない。

 日本の製造業は、今まで世界中から信頼を集めていたのに、自動車の安全装置に不具合があった事件から、同業で類似した事象が相次いで起こるなど、企業体質と言うより日本の体質が問われている。命に関わる問題であるが故に、企業体質の抜本的な改革が必要である。賃金の改善は労働者の願いだが、企業の安全対策、危機管理、コンプライアンスなどの社員教育に投資しなければならない。

 政府は、「人づくり革命」を推進するため、来年度税制改正で社員の学び直しの支援や、新技能を習得できる研修に取り組む企業の法人税を軽減する方向で検討しているという。人づくりに取り組むならば、健全な企業体質の再構築も含めて教育の重要性を訴えなければならない。

 企業だけではない。国会議員の言動も、地方議員の政治資金の使い方も、行政職員も、自覚に欠ける不祥事が相次いでいる。「法律には触れない」などと言っても、常識的におかしいだろうということがまかり通っては、国民の不信感はつのるばかりである。法律の未熟さや隙間、不足、不備は、つくる人の利益が崩れ、不都合が生じるからなのではないかと思いたくなる。少なくとも血税を数億円も拠出する事業の根拠になる書類の保管を1年未満で破棄したというのは、国民のほとんどが納得する感覚ではない。先進国の話ではあり得ない。

 地方自治体の職員とは日常的に話をしているが、庁舎の中でパソコンとにらめっこして事務仕事ばかりしている人が、刻々と変化し続ける世の中の情報をネットでは検索できても、その動きにはついていけない。首長の指示命令だけで動いたならば、不幸にも、1人の首長のレベル以上の地域にはならない。すべての分野に万能な首長はいないことから、行政職員が政策提言をしなければならない。

 そのためには、人間力としての労働意欲やコミュニケーション力、チームワーク、庁内連携力などはもちろんだが、それに加えて政策立案、地方経済学、1次産業振興、交流人口拡大、施設経営、税収意識などのスキルがあってこそ、その役割が果たせる。それらの教育の多くが、会議室での講義だけでは身につかない。

 今こそ、現場での異業種への実践体験や、その多くの課題に対する教育効果が見込める体験プログラムの出番である。完成した人など見たことがない。偉そうに振る舞う勘違い議員も、首長も含めて誰もが学ぶべきである。1億総人づくり革命を実践しなければ、この国は危ういことになる。

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