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観光業界人インタビュー 第2773号≪2014年11月1日(土)発行≫掲載
持ち味発揮していない
宿泊施設の整備早急に

奈良県知事
荒井 正吾氏


──奈良県の観光の現状はいかがですか。

 「世界遺産である『古都奈良の文化財』をはじめ、観光素材には恵まれているが、観光地として自慢できるかというとそうではない。社寺(の中にある)文化をうまく伝えていないし、宿泊施設や食という面でも立ち遅れている。持ち味を発揮していない。『(観光地で)こうしてはいけませんよ』という悪い見本はいくらでも示せるのだが(笑い)」

──観光客数はどのくらいですか。
 「2013年は3547万人で、前年比3.5%増となっている。入込客は多いが宿泊客が少ないのが実情で、宿泊施設が少ないせいもあるだろう。奈良はちょっと立ち寄るだけで、京都や大阪に泊まるというパターンも見受けられる。奈良に引き留める努力もあまりしてこなかった。そうした反省に立ち、まちづくりを含め、古都の良さを伝える仕組みを懸命になって作り上げようとしている」

──京都とよく比較されますね。
 「奈良と京都は全く味が異なる。奈良は大陸からの先進文化を巧みに取り入れており、いわゆる国際性豊かな土地であるのに対し、京都は公家に代表される文化だ。ただ、奈良に比べ、楽しく華やかな部分があることは間違いない(笑い)。それはともかく、社寺仏閣一つをとってみても文化的値打ちが違う。そこを認識した上で、奈良観光をしていただければと思うのだが、奈良自体がそうした違い、楽しみ方を発信してこなかった。そこが駄目なところ」

──京都の真似はしたくない?
 「したくないというか、真似したらいかん。奈良は大衆観光地になってはいけない(笑い)。商売の仕方については真似すべき部分は相当あるが、いずれにしろ、京都とは違うというところから出発しないとどうにもならない。いまさらだが、奈良らしさとは何かを追求していく」

──県が率先して誘客に努める、と。
 「仏像愛好家のメッカになるのも一つのアイデアだが、県としてはもっと広がりを持たせたい。観光客に来て楽しかった、また来ようと思わせるようサービスの向上に努める。多様なニーズにこたえることができる宿泊施設、おいしい食事の提供、親切な案内表示などできることは何でもやる。また、仏教美術品の積極的な展示に加え、歴史上の人物をクローズアップしたい。人物を通した歴史観光のあり方の提示だ」

──外国人観光客も多いと思いますが、インバウンド対応はいかがですか。
 「まずは受け入れ態勢の充実だ。宿泊施設の少なさは致命的で、早急に手を打っていく。一つは、国際級ホテルの誘致であり、もう一つは外国人専用の宿泊機能を有した観光施設『(仮称)外国人観光客交流館』の運営だ」

 「ホテルについては先頃、県営プール跡地と奈良警察署跡地にホテル誘致を中心とした跡地活用プロジェクトの募集概要を発表した。ホテルは国賓級の要人の宿泊に対応できる客室も備えることを視野に入れている。交流館については、地方職員共済組合奈良県支部が運営し、昨年閉館した『猿沢荘』をリニューアルして活用する方針だ」

──まちづくりについては。
 「奈良観光のメーンストリートともいえる大宮通りについてプロジェクトを立ち上げている。大宮通りには平城宮跡、県営プール跡地、奈良公園が三つ並んでおり、ここを整備することで奈良がいい観光地に育つと思う」

 「また、風を起こすという意味で、県がイベンターとなって切れ目なくイベントを実施していく。大古事記展(10月18日〜12月14日)や大芸術祭(9月1日〜11月30日)、春日大社第六十次式年造替記念奉祝行事などをアピールし、集客につなげていく。大仏商法からの脱却だ(笑い)」

──食については。
 「一流のシェフを育成するため、県農業大を改編して16年度に『なら食と農の魅力創造国際大学校』を桜井市に開設する。ゆったりとおいしい料理を楽しめるオーべルジュ(宿泊付きレストラン)を併設し、実践研修も行う。オーベルジュは15年度に先行オープンする予定だ」

【あらい・しょうご】
東大法卒。1968年運輸省(現国土交通省)入省。観光部長、自動車交通局長などを歴任し、99年7月海上保安庁長官。参院議員を経て07年5月から現職。大和郡山市出身、69歳。

【聞き手・内井高弘】


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