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観光業界人インタビュー 第2823号≪2015年11月28日(土)発行≫掲載
 
連載・観光で地方創生を⑫

跡見学園女子大学観光コミュニティ学部准教授
篠原 靖氏

──跡見学園女子大の観光教育の視点は「観光デザイン」だ。

 「大学の観光教育では、地域の抱えている課題を吸い上げて、それを観光の切り口で地域振興にどう役立てていくのかを具体的に示す教育が不足している。わが国が観光立国を目指すなか、全国の地方都市に眠る観光資源を再発見し、地域のコミュニティを作り、外国人を含む人々が訪問したくなる『着地型観光のデザイン』が求められている」

──地域観光の課題は何か。

 「観光の担い手不足だ。特に従来、観光地ではなかった後発の地域が観光振興に取り組む場合の最大のネックになっている」

 「観光学部の生徒に対して行ったアンケートから、希望進路に関して面白い変化が見えてきた。入学当初は旅行会社、航空、ホテルなどの業界を目指す学生が8割を超えていたが、3年次への進級時には4割程度に半減した。逆に、当初は1割程度だった『観光地振興』が4割まで増加する。これは観光業界全体の課題を考えさせていくと、地方に人を呼ばなければ日本の観光が良くならないと学生が認識してくるからだ」

──今年から国土交通省と共同で学生を全国の「道の駅」にインターンシップ生として派遣する取り組みが始まった。

 「地域観光は人が思いを持って形作るわけだから、理論だけを教えていたのでは、学生が地域振興のベースを理解できない。道の駅はコンパクトな地域拠点であり、地方の縮図でもある。道の駅の成功の裏には多くの人々の工夫や苦労があることを学ばせたい。学生の感性を磨く機会にもなる」

──初回となる「道の駅もてぎ」(栃木県茂木町)との連携では、ツアーを企画し、10月24日に実施した。

 「何を観光資源にしていくのかを『よそ者』『若者』の目で見ようと、学生たちが夏に現地に入って地域の人たちにヒアリングもして発見したのが、山深い茂木町の那珂川に鮭が上がってくること。学生からすると新鮮だったが、地元の人からすれば当たり前の景色で、これまで観光とは何ら結び付かなかった」

──鮭の遡上だけでは単なる観光素材。どう旅行商品として仕上げたのか。

 「道の駅もてぎは、朝採れ野菜がおいしいことで売ってきている。鮭は川に戻って、産卵を終えて死ぬが、その死に柄を鳥や獣が食べて、山に糞をする。山の中だが海のミネラルが上がってきていい土地になる。野菜のおいしさの秘密は鮭にあるというストーリーを立てた。この鮭のロマンをしっかりと伝えるために、鮭の腹を裂いて採卵し受精させ孵化させる流れを具体的にツアー客に見せたり、学生が手作りの紙芝居を使って解説したりした」

──旅行会社の商品企画担当から転身して6年になる。

 「年間30カ所を超える日本中の中山間地を訪問しているが、耕作放棄地や限界集落、さらには、消滅する地域が非常に多く存在している現実をひしひしと感じている。地域の10年後の姿を想像したときあ然とする。私は人生のうち40年を観光と共に歩んできた。人生の後半はこれまで培ってきた観光のノウハウを基に、観光が国力減退の歯止めとなるよう、地域創生の核となる観光人材の育成の一翼を担いたい」


【しのはら・やすし】
 中央大学商学部卒業。30年間、東武トラベルで地域振興をベースにした旅行商品を手掛けた。2010年から現職。内閣府地域活性化伝道師、総務省地域力創造アドバイザーなど政府の委員を歴任。56歳。

【聞き手・板津昌義】


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