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観光業界人インタビュー 第2618号≪2011年7月23日(土)発行≫掲載
福田体制が挑む3つの取り組み

JTB旅ホ連 会長
福田 朋英氏


──観光の現状での問題点を挙げるとすれば。
 「グローバルスタンダードの名のもとに、キャッシュフロー至上主義に拍車がかかり、日本の旅館業は度を越したローコストオペレーションを強いられている。このままではグローバルマーケットの中で選ばれるデスティネーションとして、ホスピタリティ競争性を維持できない。例えば、人海戦術サービスを受けられる東南アジアのリゾート地などの方がお客さまにはインパクトが強い。まだ評価を得ている我が国のホスピタリティを、コアコンピタンスとして維持向上させる中期政策を国是としてとらえないと、我が国はグローバルマーケットでデスティネーションとしての競争力を失いかねない」

 「これまでJTB旅ホ連では『魅力ある観光地づくり』を鼓舞してきたが、一つ成功するとみんながまねをする。全国どこでも同じような観光地ができつつあるし、旅館も似たような外観の、個性のないものが多い。外国のお客さまは特色や個性のないところには行かない。DMC機能を強化しようとしているJTBと一緒に、世界に通用する『個性ある観光地づくり』を目指したい」

──6月の総会で会長に選ばれた時、3つの取り組みへの決意を公言した。その1つが『個性ある観光地づくり』であり、そして『予約の早期化』『新しいライフスタイルの提言』だった。
 「支部連合会長になった8年前から単価向上を提案してきたが、今は予約の早期化に取り組む必要性を強く感じる。予約が先行して底支えができ、価格が上昇していく。間際になったら安くなるのではなく、希少価値として高くなるようでなければおかしい。値引きではなく、早期予約した人には付加価値をつける。早期化が定着すれば、今の難局を突破して単価を安定させることにもつながる。間際化の回避は旅行業全体の共通課題だ」

──新しいライフスタイルの提言とは。
 「やりたいこととして、ずっと温めてきた。今夏は5連続や7連続の夏季休暇がある。日本人のライフスタイルが見直されるいいチャンスだ。例えば、今日は伊香保、明日は箱根というのではなく、1カ所にとどまってその土地を感じる喜び、周辺をじっくりと探索する楽しみを感じてもらいたい、という提言だ。多くの日本人は旅行に行き、くたくたに消耗して帰ってくる。こういう旧来型の余暇時間の使い方から、仕事の創造性や生産性向上にもつながる、今までと違う余暇時間の使い方そのものを含めた新たなライフスタイルの提言をしていきたい。宿泊業界には新たな余暇時間の使い方を提言していく使命と責任がある」

 「JTBと共に取り組めば商品にもなり、具体性も増し、提言力が高まる。JTBは来年100周年を迎えるが、将来、あの年辺りから日本人のライフスタイルが変わってきたよねと言われる、エポックメーキングな提言をできればうれしい」

──JTBとの連携で必要なものは。
 「特に今の非常時は、時々刻々と情勢が変わり、JTBのトップ判断も変わってくる。JTB旅ホ連が素早く連動するためには、迅速で正確な相互情報交換が不可欠だ。今後のベクトルも合わせなければならない。そこで今回、髙橋常務が旅ホ連に専務理事として就任したことはものすごく大きい。これは田川社長の『旅ホ連と一緒にやるぞ』という強烈なメッセージだ。車の両輪ではなく、1つの有機体として役割分担して一緒に動いていきたい」


【ふくだ・ともひで】

【聞き手・板津昌義】


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