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 ■観光業界人インタビュー 第2559号≪2010年4月24日(土)発行≫掲載
主催旅行No.1会社目指す
「協力会」に4000軒が加盟


阪急交通社 社長
生井一郎氏


──旅行部門出身で初の社長就任となるが、改めて抱負をうかがいたい。
 「阪急交通社出身の社長としては国際輸送出身者が続いていたが、私がたまたま旅行部門出身というだけのことです。それほど意識はしていない。当社は主催旅行が中心であり、一般のお客さまの支持なくしては成り立たない商売だ。そのため(旅行商品の)品質管理、安全運行にこれまで以上に力を入れ、お客さまの目線に沿った仕事をし、支持率ナンバーワン、すなわち主催旅行ナンバーワンの会社を目指す」

──海外旅行がメーンだが、国内旅行についてはどんな状況か。
 「取扱額で見ると海外55%、国内45%の割合だ。海外がメーンであることに今後とも変わりはないが、国内のシェア拡大は大きな課題の1つだ。国内については、09年度は約1300億円で、取扱人員ベースでは320万人程度となりそうだ。旅行市場は海外を含めひと休みの状態にある。景気次第だが、今年度下期、うまくいけば上向いてくるのではないかと見ている。当社に限っていえば、昨年度は取扱人員ベースで海外が125%、国内は102%程度となりそうだ」

──今年度の国内の展開は。
 「航空会社による団体枠の縮小や減便の影響が心配だ。北海道・沖縄ツアーが多いので危惧しているが、沖縄については伸び幅も大きくないと見込んでいるので影響はあまりないと見ている。JR商品にトランスファーすることで、航空商品の落ち込みをカバーしていければと考えている」

──メディア販売についてはどうか。
 「新聞広告、会員誌、インターネットなどが対象となるが、新聞のシェアがもっとも大きい。費用効率はネット、会員誌の方がいいが、新聞は新規のお客さまを獲得できるので、必然、出稿量は大きくなる。ネットについては現状、価格が優先されており、ここでどう高額商品を売っていくのかが今後の課題となっている。主催旅行で展開していく以上、メディア販売に特化し、そこで一層磨きをかけていくのが当社の生き残る道だととらえている。総合型旅行会社を目指してはいない」

──JTBやHISなども強化している。
 「ライバル心はない。メディア販売については他社にないノウハウを持っていると自負している。先ごろ沖縄と新潟に店舗を開設したが、これもメディア販売強化のための出店だ。必要と判断すれば店舗は出す」

──ネット予約も増えつつあるようだ。
 「取扱高の20%弱がネットによるもので、国内については14%程度にまで拡大している。ネット環境を整備し、ネットユーザーのニーズにこたえていく」

──現在のブランド数はいくつあるか。
 「主力のトラピックスはじめ、クリスタルハート、イーベリー、ロイヤルコレクション、阪神航空フレンドツアーの5つ。新ブランドを立ち上げる計画はなく、今あるブランド力の向上に努めていく」

──4月に阪神航空と統合した。
 「阪神航空は『阪神航空営業本部』となり、東京フレンドツアー営業部、大阪フレンドツアー営業部を置いた。欧州に非常に強く、良いところを一緒にして、体質強化に努めたい」

──旅行商品造成には旅館・ホテルなどの協力が欠かせない。協定旅館ホテル連盟を組織する旅行会社も少なくないが、阪急交通社の場合はどうか。
 「国内に関していえば、『阪急交通社国内旅行推進協力会』を組織し、他社と同様、年1回、東京または大阪で総会を開いている。今年は7月に東京で開く予定だ。旅館・ホテルさんは約2千軒が入っている。これにバス会社さんや土産品店などを加えると、トータル約4千軒に達する。会長はホテル矢太樓(長崎市)の村木社長さんにお願いしている」

──ご趣味は。
 「オペラ鑑賞で、年5〜6回は観に行っている。また、2年に1回ほど、本場欧州にも出かける。読書も好きだね。好きというか、中毒と言ってもいい(笑)。本を読んでいないと不安で仕方がない」

【なまい・いちろう】
 慶応大卒。1971年阪急交通社入社。取締役(旅行事業本部西日本営業部長)、取締役常務執行役員(旅行事業本部長)、代表取締役専務執行役員(同)、代表取締役副社長などを経て、10年4月1日付で代表取締役社長就任。東京都出身、62歳。

【聞き手・内井高弘】


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