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 ■観光業界人インタビュー 第2463号≪2008年4月12日(土)発行≫掲載
冬の景色素晴らしい
言葉通じる仕組みづくりを

在札幌大韓民国総領事
姜益淳氏

 北海道洞爺湖サミットが7月7〜9日に開かれる。日本における5回目のサミットで、舞台となる北海道は世界にその存在をアピールするまたとないチャンスとなる。本紙ではサミット開催を控え、在北海道の各国総領事に、日本と北海道の観光の魅力や、観光振興への提言を聞いた。2回目は駐札幌大韓民国総領事の姜益淳(カン・イクスン)氏。聞き手は本社顧問の石子彭培。

──北海道洞爺湖サミットで、何を期待しているか。
サミットは、北海道を世界に宣伝する大きなチャンスだと思う。内容としては、特に環境問題が重要だと思う。これは先進国が力を入れて、自分たちで解決しなければならない問題だ。発展途上国に対しても、資金の支援のほかに技術支援をして地球温暖化の対策を立てなければいけないと思う。

私たちが生きているうちは(地球環境は)大丈夫だと思うが、私たちの子孫のためにも、自分の子どもを愛する気持ちでやらなければならない。口だけの会議に終わらせないためにも、国の指導者の力も必要だが、企業の協力がなければ解決できない。今のような企業の利益だけを考えるやり方では解決は難しいと思う。

洞爺湖サミットは北海道ばかりではなく、日本にも世界にもいいきっかけになる会議だと思う。具体的な解決策が出れば、「北海道で決めたこと」として、北海道という名前が歴史に残るチャンスだと思う。ぜひ成功させてほしいと思う。

──北海道の印象を聞きたい。
まず日本人全般に言えることだが、バブル経済が崩壊したあと、自信を失ってしまった印象を受ける。高度経済成長を遂げた時の日本は自信があったのに、経済が悪くなって立場が悪くなると「島国だから仕方がない」と言ってしまう。今も世界第2位の経済大国であることに変わりないので、もっと自信を持ってグローバルな視点で意識を転換しなければならないと思う。日本は政治的にも経済的にも文化的にももっと誇りを持っていいということを認識した方がいいと思う。

北海道の印象について言えば、今はあまり活気が感じられない。人の交流が少ないと感じる。日本人はお金を貯める人が多いと思うが、お金は貯めるものではなく、有効に使うものだ。日本では小さいころからお金の使い方を教えてくれない。日本人がお金を持っているというと、世界からはただ「お金を持っている」という意味でしか理解されていない。日本人は「お金は有効に使うもの」という意識に転換しなければならないと思う。

日本人は「お金を有効に使う」ということを「無駄使いをしてはいけない」と思っている。それでは自分の国にも世界経済にもよくない。ススキノの飲食店に行っても、自分にとっては少し損になることかもしれないが、お店や従業員たちには役に立つことになる。それはお金の役割を知っているということだ。

同じ田舎でも、韓国の田舎ではお金がなくても人が行ったり来たりしている。しかし、日本では街に出ても人がいない。お年寄りでも人が動けるシステムをつくらなければならないと思う。

──北海道はサミットを契機として、外国からの観光客を増やしたいと思っている。どこに力点を置いたらよいか、考えを聞かせてほしい。
北海道の観光システムがまだまだ国内向きになっている。全体から見ても外国人観光客が少ないし、外国人を迎えるためのシステムへの投資が少ないと思う。昨年、韓国、中国、日本の観光大臣が集まった会議で、空港の標識を最低英語、韓国語、中国語、ロシア語の4つの言語でつくってほしいと私は申し上げた。欧米はそれぞれの国の近くでもきれいな景色が見られるので、日本に来る観光客が少ないのは仕方ないと思うので、まずはアジアの観光客を中心に迎えることを考えるべきだと思う。

また、北海道は、四季がはっきりしているので、それをうまく利用するといいと思う。特に冬の景色が素晴らしいので、スキー体験とか温泉も含めて、雪が降らない国の人たちを呼び込むようにすればいい。そして、春から秋にかけてもその季節の自然を楽しめるような観光を充実させたらいいと思う。

そこで、一度大きなシステムを考えなければならない。これからは団体ではなく、個人旅行が多くなる。今はまだ情報が少ないから仕方なく団体で来ている面もあるが、これからはインターネットを利用して個人が北海道の観光コースを選ぶことになる。韓国では今、ほとんどの家庭でパソコンを持っているので、韓国の家庭からでも自分の好きな観光コースを選べる北海道の観光案内システムを整備するといいと思う。英語、韓国語、中国語、ロシア語くらいの外国語に翻訳してつくるともっと多くの観光客が来ると思う。ここを早く解決しなければならない。

もうひとつは、日本語を使わない外国人観光客に現地でどう対応したらいいかということだ。例えば、通訳センターをつくるという案はどうだろうか。あまりお金はかからないと思う。道庁や観光協会などが協力すればつくれると思う。韓国人が札幌市内の飲食店に行かないのは、言葉が通じないからだ。店に入っても案内する人がいない。ホテルにも外国語の案内はないし、カラオケをやりたくてもできない。だから、夜に遊びたくても遊べない。そうしたニーズに対応するためにも、通訳センターが必要だと思う。そこで案内を代行できれば外国人がカラオケもできるし、お金をたくさん使っていくと思う。

北海道のゴルフ場についても、競争力は十分あるのに、協力しないから駄目になっている。土日は大丈夫だと思うが、問題は平日。1日に3人しか入らないのにオープンするのはおかしい。平日は申請があれば、地域でひとつかふたつのゴルフ場をオープンするだけでいい。その方が経費を節約できる。そのためにも地域でバラバラにやるのではなく、協力して経営すればいい。

──お国の観光PRを。
韓国は日本と同じように資源もないし、国の面積も少ないし、人口も少ない。将来も世界の大国にはなれないかもしれないが、その代わり私たちは豊かな文化を持っている。長い間色々な国から入ってきた文化があり、韓国人はそれらを独自の文化にしてきた。時代の大きな変化の中で経験してきた文化はどれもドラマチックだ。そうした経験を生かして創造力を発揮すれば、もっとおもしろい文化を創ることができるだろうし、その文化を体験しに外国のお客さまが観光にやって来てくださると思う。

【プロフィール】
姜 益淳氏 1949年11月10日生まれ。外交安保研究院総務課長、駐日本大使館参事官などを歴任後、2006年3月から現職。


【聞き手・石子彭培】
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