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  観光行政 ■第2463号《2008年4月12日(土)発行》  

カーボンオフセット導入に旅行・運輸業界も関心、環境省も普及へ支援


 「カーボンオフセット(CO)」。日常生活で排出される炭素(カーボン)を、森林などに吸収させることで埋め合わせる(オフセット)活動を言うが、ここにきてビジネスとして活用する動きが出ている。旅行・運輸業界ではJTBがCOの仕組みを取り入れた駐車場の運営を始め、JR西日本はカードのポイント交換で二酸化炭素(CO2)削減に取り組む団体への寄付を可能にした。環境省はこうした動きを見据え、1日にカーボンオフセットフォーラム(JーCOF)を設立した。低炭素社会実現へ官民の足並みがそろいつつある。

 COビジネスは、消費者が商品を買ったりサービスを受ける際、環境対策用のお金を上乗せして支払い、企業が植林などの事業を行ってCO2などの温室効果ガスの削減を目指す手法がとられることが多い。

 CO2ゼロ旅行を推進するJTBグループ。今回の取り組みは日本初という、環境配慮型駐車場「カーボンオフセットパーキング」の展開で、JTB関東が手がけた。

 5日、群馬県太田市で始まった「全国都市緑化ぐんまフェアおおた」の会場駐車場が導入第1号となる。

 駐車料500円(普通車)のうち100円分をCOの費用に充てる。集めた資金は自然エネルギー・コムに支払うことでマイカーやバスで移動中に排出したCO2を相殺する仕組みだ。

 同フェアは来月11日まで開かれるが、同社では約8万台の利用を見込んでおり、CO2約540トンのCOにつながると見ている。

 今後、全国の観光地の駐車場を中心に普及を進め、08年度は10万台の利用を目指す。

 JR西日本は1日から、同社が発行するクレジットカード「JーWESTカード」とICカード「SMART ICOCA」のポイント交換商品として、CO2削減に取り組む環境保護団体へ寄付することができる「カーボンオフセット特典」を追加した。

 同社のカードを利用すると、金額の0.5%分がJーWESTポイントとして貯まる。同特典では1ポイントを2円として換算し、森林保全活動を通してCO2削減に取り組む京都モデルフォレスト協会と国際環境NGOのFoE JAPANに寄付を行う。希望者には金額分の証書を発行する。

 豪華バスツアーの販売に乗り出した百貨店の三越(三越トラベルセンター)。オリジナルバスを利用したツアーではCOを導入。日本カーボンオフセットと契約し、バスが排出するCO2を相殺するための代金を旅行代金に組み込む。「環境に配慮されるお客さまに対応した」と言う。

 JーCOFの設置は政府が2月に策定した「わが国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」を受けたもので、事務局は海外環境協力センター内に設置した。COに関する情報収集や提供、普及啓発、相談や支援を行う。

 また、今月15、16の両日には「低炭素社会ビジネス、低炭素生活に向けて」をテーマにキックオフミーティングを開き、フォーラムの活動やCOの取り組み事例などを紹介する。会場は15日が東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテル、16日が京都市下京区のリーガロイヤルホテル京都。



博物館の外国語表記は5割どまり 国交省調査


 国土交通省はこのほど、外国人見学者の受け入れ態勢について、博物館などを対象に実施したアンケート調査の結果をまとめた。文部科学省と共同で昨年12月に実施。博物館法に基づく登録博物館や博物館相当施設178館から回答があったが、館内の展示資料を外国語で表記しているのは、全体の5割程度にとどまっていることが分かった。

 展示資料の外国語表記を実施しているのは95館、全体の53.4%だった。このうち48館は展示資料の名称のみの表記。言語別では英語だけが82館、英語、中国語(簡体字)、韓国語をそろって表記しているのは5館だけだった。

 順路やトイレなど館内の案内表示についても外国語表記は80館、全体の44.9%、ホームページの外国語での表記も72館、40.4%でしか実施されていない。館内の案内所(窓口)に外国語に対応できる担当者がいるのは32館、18.0%だった。

 一方、パンフレットやガイドブックを外国語で作成しているのは、142館、79.8%に上ったが、英語のみの表記が74館だった。

 外国人向けに施設の情報を発信するために地方公共団体や観光協会と連携して取り組んだ実績があると回答した施設は44館、24.7%と少なく、外国人観光客誘致への連携が不足している実態もうかがえる。

 政府の観光立国推進基本計画では、博物館や美術館などについて、国、独立行政法人が設置したすべての施設で複数言語による案内・表示を行い、その他の主体が設置した施設も複数言語化を奨励することを目標に掲げている。国交省観光資源課では「文部科学省などと連携し、外国人旅行者の受け入れ態勢の充実に向けた取り組みを促進したい」としている。



国交省、ニューツーリズム旅行商品のモニターツアーを支援

 国土交通省は今年度、ニューツーリズムの創出・流通促進事業で、昨年度に引き続き、地域が実証事業として取り組むニューツーリズム旅行商品のモニターツアーを支援する。支援案件の募集を7日に開始した。受け付けは5月14日まで。

 募集要件は、ニューツーリズム旅行商品のモニターツアーで、(1)今年6月から来年1月末までに実施する(2)地域の観光関係者と一体で実施する(3)応募者には旅行業者を含む──など。

 採択した案件には、旅行者ニーズの把握などに要する経費の一部を国が負担。内容により加減するが、1件当たり100万円程度を補助する。

 昨年度の事業では、各地域のモニターツアー47件を支援した。商品創出への支援に加えて、ニューツーリズム旅行商品の流通を促進するため、インターネット上に商品データベースも構築した。今年度はモニターツアーを通じて新たに造成した旅行商品をデータベースに登録してもらう。

 応募は必要書類を整えた上で、モニターツアーを実施する地域の地方運輸局または沖縄総合事務所に提出する。

 国交省は7月上旬ごろに追加募集も予定している。



国土交通月例経済・07年12月分

 国土交通省は昨年12月の国土交通月例経済の概況を発表した。主な動向は次の通り。

【鉄道旅客輸送】
JR旅客6社の輸送実績は、前年同月比1.5%増の7億2430万人。このうち新幹線旅客は3.0%増の2289万7千人で、前年同月比で15カ月連続の増加。一方、民鉄の合計は1.1%増の11億1064万9千人。

【航空旅客輸送】
国内線9社は、0.6%減の721万1千人。このうち幹線は0.6%増の302万9千人、ローカル線は1.5%減の418万2千人。一方、国際線3社は1.1%増の145万1千人だった。

 今年1月の速報は、国内線が3.1%減の685万人で4カ月連続のマイナス。このうち幹線が0.6%減の293万1千人、ローカル線は4.8%減の391万9千人。一方、国際線は、0.5%増の145万8千人で8カ月連続のプラス。

【フェリー輸送】
長距離フェリー21航路の全旅客数は、6.1%増の21万1千人。1月の速報も2.8%増の20万人で2カ月連続のプラス。

【出入国】
出国日本人数は0.7%減の137万4千人。1月の速報は、3.2%減の136万3千人で9カ月連続の前年割れ。

 訪日外客数は15.5%増の67万7千人。1月の速報は、15.2%増の71万2千人。

【ホテル】
東京都内主要15ホテルの客室稼働率は2.0ポイント減の71.9%。1月の速報も2.4ポイント減の63.5%で2カ月連続のマイナスとなった。

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