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インバウンド ■第2453号《2008年1月26日(土)発行》  

官民挙げて外客歓迎、訪日促進キャンペーンがスタート
セレモニーには観光広報大使の木村さん(前列左から2人目)はじめ、
冬柴国交省や愛知観光特別委員長らが出席した=20日、都内で

 外国人観光客の訪日を促進する集中キャンペーン「YOKOSO JAPAN WEEKS 2008」が20日にスタートした。官民挙げて受け入れ態勢を強化。地域や企業は各種のサービスや特典を提供するなど、訪日客を歓迎する。期間は2月29日まで。国土交通省は18日、オープニングセレモニーを東京都の丸の内MY PLAZAで開催した。

 ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)事業の1つで、東アジアの国々が休暇に入り、旅行シーズンを迎える春節、旧正月の時期に合わせている。今年で4年目の開催。重点対象地域は、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、タイ。

 今年のテーマには、訪日客の関心事を反映して、「ショッピング三昧」「日本を体験する旅」を設定した。ショッピングでは、百貨店などが訪日客向けの割り引きや特典を提供。日本を体験する旅では、京都や日光・鬼怒川をはじめとする地域で伝統文化などの体験メニューを用意している。

 キャンペーンに合わせ、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語のガイドブックを国内外で30万部配布するほか、訪日客の受け入れに向けて簡易案内所を国内800カ所に設置した。

 オープニングセレモニーには、冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相、観光広報大使の女優・木村佳乃さん、VJC韓国観光親善大使の歌手・ユンナさんをはじめ、観光業界の関係者が参加。自民党の愛知和男・観光特別委員長も出席した。

 冬柴大臣は「今年は北海道洞爺湖サミットがあり、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会となる。確定値ではないが、昨年の訪日客数は830万人を超えそうだ。今年は900万人の大台に乗せたい。訪日客に満足してもらえるよう、キャンペーンを通じて歓迎してほしい」と述べた。


「YOKOSO JAPAN大使」に17人任命 国交省
 国土交通省は18日、外国人観光客の受け入れや、海外への日本の魅力の発信に功績のある17人を「YOKOSO JAPAN大使」に任命した。「観光カリスマ」のビジット・ジャパン・キャンペーン版で、訪日促進活動のすそ野を広げるため、観光業界にとどまらず、経済や文化などの幅広い分野から選出した。大使の活動内容は、他の関係者の手本となるようウェブサイトなどを通じて紹介する。今後も順次任命する予定。

 大使には、海外発行カードで日本円をキャッシングできるATM(現金自動預け払い機)の設置を進めた安斎隆氏(セブン銀行社長)、多言語案内を通じてショッピング環境を整えた岡田邦彦氏(日本百貨店協会副会長・松坂屋会長)らを経済界から選んだ。

 日本文化の発信者では、ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏、パリに独力で日仏文化センターを設立した服部祐子氏(パリ日仏文化センターエスパス服部代表取締役)、温泉文化を海外に紹介した文筆家の山崎まゆみ氏らを任命。

 宿泊業では、ジャパニーズ・イン・グループ会長の飛田克夫氏(旅館浅草指月社長)、台湾から能登への誘客に努めた鳥本政雄氏(加賀屋専務取締役営業本部長)、外貨両替や統計整備で別府市の受け入れ態勢を整えた甲斐賢一氏(ホテル風月HAMMOND社長)が認定されている。

 同日開かれた「YOKOSO JAPAN WEEKS」のオープニングセレモニーでは、冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相が、大使らに任命状を手渡し、さらなる活躍を期待した。

 他の大使は次の通り(敬称略)。

 アレックス・カー(庵会長、東洋文化研究者)=アメリカ▽クルト・キュブリ(高野山無量光院役僧)=スイス▽鈴木弘之(プロデューサー)▽小柳淳(小田急電鉄・経営政策本部カード戦略部長)▽マーティン・バロウ(Japan Society副会長)=イギリス▽政所利子(玄代表取締役)▽横江友則(スルッとKANSAI代表取締役専務)▽李溶淑(リンカイ代表取締役)=韓国▽ルーク・ハッフォード(ニセコ東山リゾート・マーケティング支配人)=オーストラリア


VJC韓国親善大使が見た日本の魅力

 YOKOSO JAPAN WEEKSの開催にあわせ、来日した親善大使のユンナさんに日本の魅力を聞いた。

──初来日の印象は。

 「日本に初めて来たのは中学1年生の時。新潟へ交換留学生として1週間ほど滞在しました。遠いと思っていたけれど意外と近かった、というのが第一印象です」

 「夏に来たので、蒸し暑かったのも覚えています(笑い)。それから着物を着ていないな、とも。でも考えてみたら、韓国でもみんなチマチョゴリを着ていませんからね」

──流ちょうな日本語ですね。日本に興味を持ったきっかけは。

 「日本のドラマです。中学1年生の時に試験勉強の合間に『ごくせん』をみて、使われていた言葉や効果音に興味を持ちました。ちなみに初めて覚えた日本語はごくせんの主人公が使う『おまえら』。意味も理解せずにマネージャーさんなどに使って驚かれました」

──日本の好きな場所は。

 「以前、伊豆の旅館に泊まったことがあります。緑色の海がとてもきれいで外国にいるという実感がわいてきました」

──旅館スタイルには馴染めましたか。

 「畳にそのまま寝ることなどは、不思議ではありましたが『すごい。和風だ』という印象を持ち、不便は感じませんでした。食事も、大好きなお寿司を食べて、快適に過ごせました」

──行きたいところは。

 「海の美しさで興味があるのは沖縄。スキーが得意なので北海道にもぜひ行ってみたいですね」

──「ようこそ」の気持ちを実感した場面は。 

 「大阪に行ったとき、タクシーの運転手さんにとても親切にしてもらいました。大阪城など名所についてたくさん説明してくれました」

──こうしたら旅行が楽しくなると感じたことは。

 「本やビデオを借りるときに、手続きが煩雑で少し不便でした。日本語が話せたので、電車や地下鉄に乗るときに不安を感じたのは初めの頃だけでしょうか」

──逆に良かったことは。

 「たくさんあります。レストランなど、どこに行っても皆さん親切にしてくださいました」

──目標にしている歌手は。

 「日本の歌手では、椎名林檎さん。着物を着てギターを弾く姿がかっこいいです」

──親善大使としての抱負は。

 「日本と韓国の間に『橋』があったらいい、と思います。飛行機という手段以上のものができたらいい。親善大使としては歌を通じて多くの人に親しみを持ってもらい、日韓関係の交流促進に貢献できたらうれしいです」

 ユンナ=88年ソウル生まれ。歌手。


外客に文化体験交流の場提供、長野の湯田中びゅうホテル
外国人宿泊客が和太鼓を体験

 長野県山ノ内町の湯田中びゅうほてる(斉須正男社長)は14日、外国人宿泊客に日本文化を体験してもらうとともに、日本人宿泊客との交流の場として、女将主催のパーティーを開催した。初の試みながら、工芸品づくりや和太鼓演奏の体験などが好評だった。今後も、外国人客が多く宿泊する時期を捉えて開催していく考えだ。

 オーストラリア、英国、オーストリアからの宿泊客約30人が参加。籐などを使ったカゴづくり、和太鼓の演奏、日本酒などを体験した。日本人宿泊客も約10人が参加し、交流のひと時を楽しんだ。

 進行役は、女将の斉須幸子さん。米航空会社の現役客室乗務員で英語も堪能。「欧米のお客さまに受け入れやすいようにパーティー形式の交流会にした。日本文化を実際に体験することへの興味は強く、とても喜んでもらえた」と話した。日本人客にも、交流の場として、日本文化を再発見する機会として好評だったという。

 同旅館では近年、欧米やオーストラリアからの宿泊客が増えている。町内にある「地獄谷野猿公苑」なども、外国人に人気のスポットになっているという。

 斉須社長は「国内旅行の低迷やスキー人口の減少がある中で、外国人客の取り込みは、当館のオフシーズン対策の上でも、地域全体の活性化の上でも重要だ。日本文化を体験できる旅館の良さを生かした企画をこれからも実施したい」と意欲を示した。
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