関空、イスラム教徒への対応強化


 新関西国際空港会社は、増え続けている訪日イスラム観光客への対応を強化している。関西国際空港が、国内空港で最もイスラム教徒の利用者に配慮した「ムスリムフレンドリーエアポート」として広く認知されることを目指し、他の空港との差別化を図る。

 関空も近年、東南アジア路線の拡充が進み、マレーシアやインドネシアからの訪日旅行客の増加が著しい。このため同社は、イスラム教徒が安心して空港施設を利用できるよう、取り組みを加速させることにした。

 関空には現在、祈き祷とう室が1カ所ある。来年3月までに新たに3カ所増設する。このうちの2カ所は国内空港で初めて、出国審査が終わった後の制限エリアに設置する。内部は全て男女別で、体を清める「小浄施設」も備える。祈祷室は24時間運用とする。

 9月からは、ハラル(ハラール)料理を提供するサービスを始めた。国際線機内食向けのハラル専用キッチンを備えている給食会社が調理し、第1ターミナルビル内特別待合室など3カ所で提供する。希望利用日の1週間前までに予約する必要がある。

 7月には、第1ターミナル2階のうどん店がハラル認証を受け、エアロプラザ3階のそば店も認証審査を申請している。11月からは、ハラル認証ほど厳格ではないものの、食材から豚肉とアルコールを除去した料理を提供する「ポークフリー・アルコールフリーメニュー」を16店舗で、豚肉とアルコールを含まない食品を販売するフリーコーナーを2店舗で導入。

 さらに、空港内従業員に対する対応研修の強化、ホテル日航関西空港での礼拝衣装、マットの貸し出しサービス(10月から)など、空港全体でサービス強化に取り組む。

 
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