長崎、熊本、大分の3県は17日、九州観光の振興を図るため、3県の観光担当部署と観光連盟らで構成する「九州横断長崎・熊本・大分広域観光振興協議会」を設立した。九州新幹線の鹿児島延伸などをにらみ、やまなみハイウエイや長崎、天草の教会群を核とした九州を横断的に楽しむルートの確立と浸透を図る。
協議会は、国内客、海外客双方の誘致を進めるために長崎県が声掛けして実現した。3県が連携しての周遊ルートの作成や旅行商品の造成、3県合同観光プロモーションの開催を行う。
協議会の構成員は、長崎県観光振興推進本部副本部長▽長崎県観光連盟専務理事▽熊本県観光物産総室長▽熊本県観光連盟専務理事▽大分県観光・地域振興局長▽ツーリズムおおいた事務局長──の6人。3カ月に1回程度、会合を開く。この下に置く実務担当者会議は必要に応じて情報交換や検討を行い、個別の事業や案件について迅速に対応できるようにする。
初年度の今年は、長崎県観光振興推進本部副本部長が会長を務め、長崎県に事務局、熊本県に国内誘致、大分県に海外誘致の各事業事務局を置く。1年ごとに持ち回りで各事務局を担当する。
九州は北九州や南九州といった地域ごとに観光振興を進めていたが、それらの組織を発展的に統合して九州観光機構を設立した経緯がある。
長崎県観光推進本部は「九州観光機構はスケールメリットを生かしたPRで力を発揮する。しかし同じ九州でも地域によって事情は様々。より機動性の高い組織を置くことで、地域の実情に合った効果的な取り組みを行いたい」と話す。