観光関係22団体で成る観光関係団体懇談会(幹事・日本観光振興協会)は16日、東京・御成門の東京プリンスホテルで、「観光関係者新年賀詞交歓会」を開いた。昨年末の安倍内閣発足で景気回復や東北復興の期待が高まる中での賀詞交とあってか、出席者の表情も総じて明るく、旅行業関係者の1人は「観光の力でそうした歩みを確かなものにしたい」と力を込めた。
約240人が出席。主催団体を代表してあいさつした西田厚聰・日観協会長は安倍内閣の経済政策に期待を寄せ、「緊急経済対策が着実に実施され、景気回復基調に向かうことになれば観光面でも大きな追い風になる」と述べた。その上で「今年は観光産業にとって大きな転換点となり、さらなる飛躍の年にしよう」と呼びかけた。
初出席となる太田昭宏国土交通相は「観光(振興)は極めて大事であり、今年は大きく飛躍の年にしなくてはいけないと強く思っている。安倍内閣は経済再生、東北の復興、危機管理の三つを軸にしているが、いずれも観光の果たす役割が大きい」と強調。訪日外客については「1千万人に少しでも近づける」と述べ、日中、日韓関係の改善に加え、東南アジア重視の姿勢を示した。
乾杯の音頭は日本ナショナルトラストの大塚陸睦会長。「訪日外国人数は世界39位だが、観光ブランド力はイタリアに次いで世界2位だ。この格差をどう埋めていくかが課題」との認識を示すとともに、「待ちの観光から攻めまくる観光に変えていこう」と述べ、杯を掲げた。
出席者からは「今年の注目は参院選。観光への影響も大きいのではないか」「伊勢神宮式年遷宮、東京ディズニーリゾート30周年など、イベントもそこそこある。旅行の需要喚起は知恵と工夫次第だ」との意見が出ていた。
あいさつする西田会長