観光庁と文部科学省は9日、海外からの教育旅行を増やすための施策を探る「訪日教育旅行受入促進検討会」の初会合を開いた。学校や観光、修学旅行の関係団体の担当者などで構成。学校間交流などを含めた受け入れの促進について課題や取り組みのあり方を議論する。
政府の「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」では、海外からの教育旅行の年間訪問者数を2020年までに現状(約4万人)の5割増にする目標を設定。施策を「学校交流・体験促進プログラム」(仮称)としてまとめ、実行するように求めている。
文科省の調査結果では、学校訪問を伴う海外からの教育旅行は、小・中・高校の参加者の合計で2013年度が約4万4千人。東日本大震災の影響が大きかった11年度の約2万6千人に比べて約7割の増加だが、5万人を超えていた06年、08年の水準を大きく下回っている。国・地域別にみると台湾、韓国、米国、豪州、中国が多い。
初会合で観光庁の山口裕視次長は「教育旅行など若い世代に来てもらうことは、将来の訪日旅行のリピーターを育てることにもつながる。学校間交流の受け入れ校探しなどの課題もあるようなので、皆さんの知見をうかがい、今後の施策に生かしていきたい」とあいさつした。
検討会の主な論点は、海外における訪日教育旅行のニーズ、学校訪問や学校間交流を伴う訪日教育旅行を受け入れる上での地域、学校での課題など。9月ごろまでに3回の会合を開き、報告書をまとめる。
受け入れ促進策を議論する検討会