インターネットを通じた旅行取引を巡る消費者のトラブルを防止しようと、観光庁はこのほど、「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン」を策定した。海外に拠点を置く事業者が運営する日本語サイトの増加などを踏まえた内容。OTA(オンライン・トラベル・エージェント)などにサイトへの表示を求める情報内容を定めたほか、消費者が利用の際に確認すべき事項についてもまとめた。
オンラインの旅行取引では、国内OTA、海外OTA、横断検索サイト、場貸しサイトなどがさまざまな旅行関連のサービスを提供しているが、サイトごとに取引形態が異なり、消費者との間でトラブルになるケースも増えている。観光庁は今年1月から、有識者を集めた委員会でガイドラインのあり方を検討していた。
OTAなどの事業者向けには、サイト上に表示すべき内容をまとめた。基本情報では法人などの名称や住所、日本の旅行業法に基づく旅行業登録の有無など。消費者からの問い合わせに対応する窓口、対応言語なども表示するように求めた。
契約時には、契約当事者、旅行代金、支払方法、キャンセル料金などの表示のほか、消費者が契約内容を確認できるメールの送信、画面の設定などの措置を要請した。
消費者向けには、「旅行予約サイトご利用の際はよくご確認を」と題した啓発チラシを作成した。サイトの運営事業者の基本情報、問い合わせの受け付け体制、契約条件などを事前に確認するように周知した。
旅行業登録については、日本の法律に基づき旅行業登録を受けた事業者には消費者保護の義務が課せられているが、日本以外の国の旅行業に登録している事業者の場合、制度が異なることを記載。海外の事業者などでは、トラブルが起きても日本語での対応が不十分な場合があるとして、事前に確認するように呼びかけている。