観光地の公衆トイレ、リニューアル続々


 これまで「古い・暗い・汚い」と言われてきた観光地の公衆トイレ。古いまま放置し、維持管理がなおざりになりがちだった公衆トイレを、観光客に対するおもてなしの象徴として、便器の洋式化や温水洗浄便座設置など最新式に改修する動きが出ている。トイレのきれいさが観光地の印象を向上させるとして、今後改修の動きが加速しそうだ。

 和歌山県は2013年度当初予算に新規事業「和歌山おもてなしトイレ大作戦」事業費1億5357万円を計上した。市町村が管理する観光地のトイレ全てを目標に、古い和式便器を洋式に交換し、温水洗浄便座を取り付ける。一部は人工肛門を取り付けた人向けのオストメイト対応にする。

 県観光交流課が昨年10月現在でまとめた市町村が管理する観光地の公衆トイレは373カ所。その多くが和式だ。

 県は15年秋の紀の国わかやま国体開催までに、観光地の公衆トイレ全てを目標に最新設備に改修する。実際に改修するのは管理する市町村で、県は改修費の最大2分の1を補助する。

 県はこれとは別に、旅館や飲食店のトイレを改修する事業者に対し、資金を融資する制度を始める。

 山梨県は、12年度の単年度事業として「観光地等公衆トイレ緊急補修費補助金」事業を実施した。今月までに観光地の公衆トイレ14カ所を改修する。補助総額は約1500万円。

 県観光資源課は「富士山の世界遺産登録を目指すなど、12年度は重要な年だったため、単年度で実施した」と説明する。

 この他、千葉県や群馬県なども補助事業を実施している。

 一方、867カ所(10年)の公衆トイレがある長野県は、観光振興課が観光地の公衆トイレ改修補助事業として、13年度当初予算で4千万円の予算計上を目指したが、今回は認められなかった。

 同課は「訪日外国人対応にもなるとして予算申請したが、厳しい財政状況に加え、まず市町村が対応すべきとの考えもあった」と理由を説明する。

 しかし、867カ所のうち、約200カ所は老朽化の問題が切実で、早急に補正対応や市町村への働きかけなど、何らかの対策を取りたいとしている。

 観光地の公衆トイレの改修については、市町村レベルで進めているところも多く、県レベルでの動きと合わせ、今後、観光地に快適な公衆トイレが増えることになりそうだ。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒