自民党の観光立国調査会(山本幸三会長)は18日、タイ、マレーシア、インドネシアに対する査証(ビザ)免除などを盛り込んだ「観光立国の実現による日本経済再生に向けた提言」案をまとめた。今年中に訪日外国人旅行者数を1千万人とし、「来年以降に2千万人達成を目指し、本格的な観光立国の実現に向け、今こそ、目に見えるブレイクスルーを果たす時だ」と強調している。
提言案の取り扱いについては山本会長に一任する。政府の観光立国推進閣僚会議に提示し、政府が6月に取りまとめる成長戦略や夏の参院選の公約に反映させる方針だ。
提言案はまず、ビザ要件を韓国など競合国並みに緩和するよう求めた。東南アジア3カ国のビザ免除に加え、ベトナム、フィリピン、インドなどアジア諸国とロシアに対しては数次ビザを発給する。中国人個人観光客については東北3県(岩手、宮城、福島)の数次ビザを発給しているが、より効果を上げるため訪問地要件を撤廃するとした。
外国人旅行者の満足度アップについても言及。特に、訪日目的の上位の一つがショッピングであることから、「ショッピングツーリズム」を提唱し、免税制度の改革を求めた。具体的には(1)訪日客に人気の高い化粧品、医薬品、地域特産の飲食料品などへの対象品目の拡大(2)地域、地方の中小小売店を含めた免税店舗数の大幅拡充—などを挙げた。
このほか宿泊施設における無料公衆無線LAN(Wi—Fi環境)の整備や外国語放送の導入、観光予算の大幅増額、新たに創設されるクールジャパン推進機構を観光分野でも活用することなどを盛り込んでいる。