福島県旅館ホテル生活衛生同業組合に加盟する旅館女将5人が19日、福島県の観光業の現状と課題について報告するため、東京・平河町の自民党本部を訪れ、石破茂幹事長と面談した。東日本大震災と福島第1原発事故による風評被害で、修学旅行生が8割以上減少したままの現状を訴え、早期の対策を求めた。
訪問したのは女将会会長・若松佐代子さん(新つた)、片桐栄子さん(華の湯)、檜澤久子さん(ゆもとや)、山崎捷子さん(ニューパレス)、大平淑子さん(天地閣)。
石破幹事長、森まさこ内閣府特命担当相、元会津若松市長の管家一郎衆院議員らに「会津若松の放射線量はシンガポールと同じくらい低い。それを学校関係者に知ってもらいたい」と述べ、正確な情報の継続的な発信を求めた。
また、「NHK大河ドラマ『八重の桜』や来年から始まるプレデスティネーションキャンペーン(DC)、2015年のDCだけでは風評被害は払拭できない。観光で今のうちに経済効果を上げておかないと将来に続かない」と強調した。
マスコットキャラクターの「八重たん」をプレゼントされた石破幹事長は「福島の復興なくして、日本の復興はない」とし、党本部で福島キャンペーンをすると述べた。具体的にはポスターを張るなどして協力する。
女将らは復興庁も訪れ、根本匠復興相に「復興キャンペーンなどで各地に呼ばれるが、自腹で行っている。風評被害対策の観光PRに使える予算はどこに頼めばいいのか」などと質問。復興相は「風評被害対策のために関係省庁を集めたタスクフォースを組織し、政策をまとめて打ち出す。福島を中心に東北6県に継続して観光客を呼び込む努力をする」と述べた。
福島県の旅館女将5人が19日、自民党本部を訪れ、石破茂幹事長=写真右から3人目=と面談した