「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県大田市)が2日、国内14件目の世界遺産に正式登録された。6月28日の登録決定の一報以降、地元はにわかに活況を呈している。各旅行業者も既存の石見銀山商品に「世界遺産決定」の文字を加えるだけでなく、新たに商品を造成に発売するなど素早い対応をみせ、石見方面への観光需要の取り込みを図っている。
■KNT
KNTはメイト商品「らくらくJR&バスで行く 銀の王国 石見銀山」を関西地区で販売する。
「らくらく〜」は宿泊と往復のJRのほか、石見銀山までの直通バス「石見銀山号」がセットになった商品。宿泊地を玉造温泉、松江しんじ湖温泉、広島の11軒のホテル・旅館から選べる上、各宿泊地からバスで直接石見銀山に行ける。石見銀山、大森の町歩きでは地元ガイドによる案内がつく。
設定期間は7月1日〜11月30日。宿泊料金は大人1人2万6800円から。
販売を始めた6月29日には「20人の申し込みがあった」(同社)という。
KNTでは東京発の石見観光商品の発売も予定している。
■日本旅行
日本旅行は個人型旅行プラン「JRのぞみで行く石見銀山と広島・宮島の旅」を販売する。
往復のJRと宿泊を自由に組み合わせられるフリープラン型商品。オプショナルプランとして用意する周遊型観光バス「石見銀山号」を利用すれば、世界遺産登録10周年を迎えた厳島神社、原爆ドームなどを擁する広島・宮島エリアを効率的に観光できる。
宿泊は広島、宮島・宮島口、松江しんじ湖温泉、玉造温泉の13軒から自由に選べる。
7月1日から11月30日までの毎日。料金は東京駅発着、1泊2日で1人2万7300円から。
■阪急交通社
阪急交通社はデビューしたばかりの新幹線のぞみN700系のグリーン車利用や、山陰の名湯に泊まるなど「ワンランク上の旅」(同社)を販売した。
夫婦2人旅にスポットを当てたこのツアーは、8月19日〜9月26日出発の計16本を設定。各出発日とも最少催行人員は20人。
石見銀山の坑道や龍源寺間歩の見学をはじめ、出雲大社、足立美術館、天橋立など山陰の観光名所を盛り込んだ。1日にデビューしたN700系のグリーン車は往路で利用する。宿泊地は玉造、皆生、城崎温泉。ツアー代金は「2人で15万円均一」とした。