環境省は「自然等の地域資源を活かした温泉地の活性化に関する有識者会議」(座長・下村彰男東大大学院教授)を設立、5月31日、東京都内で初会合を開いた。同会議は7月をめどに提言をまとめ、同省は温泉地活性化に向けた施策に生かす方針だ。
同省は温泉地活性化に向け、全国温泉地サミットの開催や日本理学療法士協会・上田市との温泉を生かした健康づくりに関する協定、ONSEN・ガストロノミーツーリズムへの協力などに取り組んでいるが、さらなる活性化を探るため、有識者会議を設けた。
検討項目として、(1)温泉地活性化における省の役割(2)ターゲットをどこに置くか(3)活性化の具体策(4)活性化を進める上での体制、役割分担―などを挙げている。6月29日に第2回会合を開き、7月20日の会合で提言を取りまとめる予定だ。
この日は委員によるフリートーキングが行われ、「日帰り客が増えている。アウトドアに興味を示す若者は多いが、宿に泊まらない傾向にある。温泉旅館とタイアップして、泊まればアウトドア体験が割安になる取り組みをしている」「旅館が客を囲い込み外に出さないため、地域(の商店など)が潤わず、関係がしっくりいっていない」「温泉地単独では限界があり、魅力創出には広域的な温泉地のつながりが必要」などの意見が出た。
下村氏以外の委員は次の通り。
阿部宗広・自然公園財団専務理事▽大西倉雄・国民保養温泉地協議会会長▽久保田美穂子・亜細亜大准教授▽桑野和泉・由布院温泉観光協会会長▽四宮博・洞爺湖温泉利用協同組合専務理事▽早坂信哉・日本健康開発財団温泉医科学研究所長▽ハリス・マイケル・ジョン・キャニオンズ代表