民泊の事業廃止理由、6割は旅館業など転用


 住宅宿泊事業(民泊)では、住宅宿泊事業法の施行(2018年6月)以降、事業の届け出を行った後、約1割が事業廃止を届け出ている。観光庁はこのほど、自治体の協力を得て事業の廃止理由を調査した。廃止の理由で最も多かった回答は、「旅館業または特区民泊へ転用するため」で約6割に上った。

 11月14日時点の累計届け出件数2万1900件のうち事業廃止は2117件となった。観光庁による調査の対象は、9月10日~10月15日の期間に自治体に事業廃止を届け出た事業者。回答件数は223件。

 廃止の理由では、「旅館業または特区民泊へ転用するため」が全体の57.8%に上り、前回調査時(19年3月)の37.6%から大幅に増加した。

 続いて多い理由は、管理規約での禁止や賃貸人の承諾取り下げなどで「事業を行う権利がなくなったため」が8.1%、「収益が見込めないため」が7.2%。「その他(事業継続の意思あり)」は9.0%で、他の事業者に運営者を変更するなどの理由で事業廃止を届け出たものだった。

 観光庁では、全国的に住宅宿泊事業の廃止件数が増加しているものの、調査の結果では「全体の半数以上は業の種類や事業者などを変更して、いわゆる民泊を続けることを前提とした廃止の届け出だった」と指摘している。

 
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