楽天トラベル(岡武公士社長)と子会社の楽天バスサービス(以下楽天BS、村瀬茂高社長)は12日、東京都内で「2007高速ツアーバス安全フォーラム」を開いた。高速バスツアーを催行する旅行業者やバス事業者ら30人超が参加。高速ツアーバスを取り巻く社会状況などを学ぶなど、安全性と品質の向上に向け意識を高めた。また、業界全体の安全指針として「高速ツアーバス安全協働体制・ガイドライン」の試案も発表した。
同フォーラムの冒頭、村瀬社長はツアーバス事業に対する社会の関心の高まりに触れ、社会的責任としての安全対策の重要性を強調。「今日をスタートとして業界が主体的に安全に関するガイドラインを作る動きができれば」とさらなる安全対策推進への意欲を示した。
続いてあいさつした同社の安全検討委員会委員を務める、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)の金沢悟理事長は「国交省の調査によると約8割が何らかの法令違反をしている。営業よりも安全を最優先させない限り、今後本業界の健全な成長は望めない。事故は起こるものと考えるべき。だからこそ安全・品質管理面での法令順守を」と強調した。
フォーラムでは楽天BSが同社の安全・品質向上への取り組みを説明した。またNASVAの平川君男安全指導部マネージャーが運行管理について、国土交通省自動車交通局旅客課の蔵持京治企画調整官が貸切バスに対する国土交通省の取り組みについてそれぞれ講演した。
今後の取り組みとして、消費者にも分かりやすい形の安全指針「高速ツアーバス安全共働体制・ガイドライン」を業界一体となって取りまとめることを楽天BSが提案、試案を示した。
試案には(1)運行計画などにおける企画実施会社の安全運行確保への協力(2)事故など緊急時連絡体制の整備(3)バス運行会社の事業区域順守──などを盛り込んだ。今後約1カ月をめどに旅行会社などからの意見を求め、擦り合わせを行った上で正式に発表する。
楽天BSは05年に安全検討委員委員会を設立、同社のマーケットプレイスへの出店基準に安全性にかかわる項目を盛り込んだり、品質と安全性の確保のために出展業者のレベル付けを行うなど、独自の取り組みを行っている。
村瀬社長があいさつ