楽天トラベルは5日、同社の契約宿泊施設を対象にしたサマーフォーラムを開いた。約1100人の出席者を前にプレゼンテーションした岡武公士社長は、同社の09年度の旅行取扱額が3051億円で業界第5位に付けていることを紹介。「当社は年率20%近い成長を続けており、来年のフォーラムで業界2、3位になったことを報告できるのではないか。期待していてほしい」と意欲的に語った。
岡武社長は楽天トラベルの上期の状況として、ANA楽パックが前年同期比42.0%増、レンタカー予約が同40.7%増、高速ツアーバス予約25.3%増と好調に伸ばしていることを紹介。下期の施策として、ANA楽パック同様に、宿泊にレンタカーなどの足回りをセットした商品を強化していくことや、同社がグループ旅行向けに展開している幹事システム「あいのり」の機能を拡充して団体・グループ旅行のニーズ取り込みに意欲を見せた。また家族旅行需要の取り込みにも意欲を示し、「子ども連れ家族向けの価格設定やプランについて、たくさんの情報を入れてほしい」と協力を求めた。
フォーラムでは、三木谷浩史会長が「インターネットマーケティング革命」と題して講演。あいのりが毎月5億円程度の売り上げを挙げていることを紹介し、インターネットの機能を使った、今までにない旅行ニーズの掘り起こしの可能性や、消費者同士の共感を重視したマーケティングの重要性を語った。このほか利用者の声の活用や、モバイルページの作り込み、キャッチコピーなど4部門について、優れた取り組みを行った施設を楽天トラベルマイスターとして表彰した。
旅行会社としての位置を明確に
楽天トラベルの岡武社長は、観光庁発表の「主要旅行業の旅行取扱状況速報」に同社の取り扱い額を公表していなかったことについて、「これまで国内旅行以外の取り扱いが少なく、具体的な数字を出しにくい状況だった」と語った。その上で、「国内はじめ海外、外国人とも取り扱いが大きくなってきており、当社が旅行会社としてどの程度の位置にあるのかを明確にするためにも公表すべきと判断した」と、4月から公表に踏み切った理由を明らかにした。
あいさつする岡武社長