書評「父・宮脇俊三が愛したレールの響きを追って」


鉄道紀行文学の第一人者として金字塔を打ち立てた作家・宮脇俊三。その長女・灯子氏が父の旅した跡をたどって綴った鉄道紀行デビュー作。

 銚子電気鉄道、五能線、山陰本線といったローカル線を中心に全国の12路線を取り上げている。

 亡くなった父の著作を手にしたとき、鉄道を深く愛する知らない父の顔を見たという著者。「それで、父とゆかりのある路線を12線選び、乗りに行きました」(後書き)。鉄道に対する愛着とほのぼのした文体は俊三のそれを彷彿とさせる。

 また、各路線の取材に同行した小林写函氏のモノクロ写真は旅情をかきたてる。

 10日に発売。四六判224ページ。定価は1575円(税込み)。発行=JTBパブリッシング(TEL03・6888・7821)。

 
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