日本旅行の社長に6月30日付で就任した堀坂明弘氏(前JR西日本取締役兼常務執行役員、60)が同日、東京・日本橋の本社内で丸尾和明新会長とともに記者会見した。堀坂新社長は「強みを伸ばし、オンリーワンを目指す」と抱負を述べ、具体的取り組みとして、インバウンド、BTM、MICE、地方創生の各事業に注力する考えを示した。
堀坂新社長は「110年を超える老舗の経営を託された。身の引き締まる思いであると同時に、一種の高揚感を覚えている」と現在の心境を吐露。
社員に訓示した内容として、「旅行業界は厳しい経営環境にある。従来のビジネスモデル自体、今までの延長線上では立ち行かなくなっている。業界第1位であるとか、トータルのシェアを追い求めるという考え方もあるが、当社としては従来からの強み、この分野は他の追随を許さないという部分を伸ばし、業界のオンリーワンを目指していきたい」と述べた。
特に力を入れる分野として、中期経営計画「ACTIVE2016」で中核事業としたインバウンド、BTM、MICEに加え、地方創生への取り組みにも積極的に関わりたいとした。これら分野については、今後策定する新しい中期経営計画の柱となる可能性を示唆した。
さらに「必要に応じて、他業種との連携を積極的に行いたい」「関係機関である施設、キャリアとの連携は当然のこと。(出身の)JR西日本、JR各社とも強固な連携を図っていきたい」と述べた。
8年間務めた社長を退任し、代表権を持った会長に就任した丸尾氏は「強みを持った、筋肉質の会社を作り上げていただけると思う」と堀坂新社長の手腕に期待。自身の今後については、「JATA(日本旅行業協会)と旅行業公正取引協議会の副会長を務めているほか、インバウンドや地方創生のテーマで話を聞きたいとの依頼もある。それらの社外的活動が中心になるだろう」と述べた。