日本商工会議所は10日、今年度の「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の受賞商工会議所を発表した。大賞は事業化視点を取り入れた多様な観光プログラムを開発した青森商工会議所(青森県)が受賞、観光立“地域”特別賞などに7商工会議所を選んだ。表彰式は7月5日、盛岡市で開催する「全国商工会議所観光振興大会2013inいわて」の本大会で行う。
青森は(1)のっけ丼をはじめ、地域資源を生かした先進的な事業に積極的に挑戦し、具体的な収益性のある事業を確立している(2)商工会議所が中心となり地域をまとめ、戦略的な観光商品づくりを推進している—ことが評価された。
のっけ丼は観光客が市場を巡りながら、丼飯の上に好みの刺身や惣菜などをのせていくもの。鉄道会社の旅行商品にも組み込まれ、市場には年間10万人が訪れる人気スポットとなっている。
また、スノーシュートレッキングやカーリングなどの体験を通じ、心身のリフレッシュをもたらす「リ・ラク旅」を提案しており、商品化に力を入れている。
振興賞は静岡商工会議所(静岡県)と下関商工会議所(山口県)に。静岡は地域に眠る歴史的資源の発掘と、そこから得られる学びを生かした観光振興事業に取り組んでいる。その一つが「徳川家康公顕彰四百年記念事業」で、4月には浜松や岡崎の商工会議所、行政と連携し、徳川時代を改めて研究、発信する「徳川みらい学会」を設立。反響は大きく、わずか1カ月で企業100社と600人の個人会員を獲得しているという。
下関はホームページとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した双方向による情報発信力の強化が評価された。
観光立“地域”特別賞は別府商工会議所(大分県)と延岡商工会議所(宮崎県)が受賞。延岡はまち全体を舞台にした着地型観光イベントとして毎年秋、約3週間にわたり「ひむかのくに えんぱく 延岡感動体験泊覧会」を開催している点が評価を得た。
奨励賞は東京商工会議所(東京都)、蒲郡商工会議所(愛知県)が受賞した。