旅館協会のオープン・ウェブ、12年度取扱額は2740万円


 日本旅館協会が会員旅館・ホテルを対象に稼働している宿泊プラン販売の支援システム「オープン・ウェブ」の2012年度の取扱実績は、宿泊予約サイトなど4つの販売経路の合計で563件、2740万4千円となった。参加施設が負担するシステム使用料率(手数料率)を5%に抑えつつ、販売拡大を後押しする事業として今後も推進していく。

 オープン・ウェブは、個々の旅館・ホテルが通常利用している予約エンジンと旅館協会のシステムを接続することで、提携先の宿泊予約サイトなどから各施設に予約を呼び込む仕組み。旧国際観光旅館連盟が昨年4月に稼働を開始し、旅館協会に運営が引き継がれている。現在の参加施設数は220軒。

 旅館協会が提携している販売経路は、宿泊プランを横断的に比較検索できる旅行情報サイト「トラベルコちゃん」を運営するオープンドアをはじめ、エイチ・アイ・エス、旅キャピタルなどの4社。今年度は、7月に入ってベネフィット・ワンも加わった。

 参加施設の負担は、提携サイトに支払う手数料とシステムの維持管理費を合わせ、システム使用料率として成約ごとに5%に抑えている。大手のオンライン・トラベル・エージェント(OTA)などのシステム利用料率より少ない負担で販売できる。参加施設は専用プランを作ったり、客室在庫を出し入れしたりする必要もなく、管理の負担も増えない。

 オープン・ウェブ事業に取り組む背景の一つには、オンライン宿泊予約の寡占化への懸念がある。特定のOTAへの依存が進めば、旅館・ホテルは手数料率の引き上げなどに応じざるを得ない。宿が自社の予約エンジンから多様な販路に一定の手数料率で販売できる環境を確保し、宿泊需要を拡大する狙いがある。

 6月28日に東京都内で開かれた旅館協会の通常総会では、オープン・ウェブ事業を担当するIT戦略委員会の針谷了委員長(滋賀県・湯元舘)が「新規の販売経路として10社程度と提携の交渉を進めている。いずれは取扱額を10億円にしたい。協会加盟のメリットを感じてもらえる事業にする」と述べ、会員施設に参加を呼びかけた。

 オープン・ウェブの接続には、旅館・ホテルが6種のうちいずれかの予約エンジンを使用している必要がある。接続可能な予約エンジンは、予約プロ(アビリティコンサルタント)、リザーブゲート(ナバック)、宿シス(ウイング)、ヤドバンス(スペースキー)、予約番(キャディッシュ)、てなわん(福井コンピュータ)。

 
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