国土交通省は12月21日、「旅行と医学に関する協議会」を発足させた。旅行者の健康と安全の問題では、医学の専門家や観光業界がそれぞれに普及に取り組んでいるが、連携が不十分として関係者間で情報交換を進めるのが狙い。日本人の国内・海外旅行だけでなく、訪日外国人客への対応も検討していく。
メンバーは国交省や厚生労働省、日本旅行医学会、日本渡航医学会のほか、旅行会社や航空会社、観光団体など。オブザーバーとして旅行保険を扱う企業も参加している。
国交省の柴田耕介総合観光政策審議官は「中高年の旅行意欲が高まり、旅行中の疾病は増えている。海外旅行ではSARSなどの影響も記憶に新しく、また訪日外客についても言葉の問題など医療面からの受け入れ体制が課題だ」と語った。
出席者は一般消費者や旅行業従事者への知識の普及、研修状況などを報告。半面、訪日外客に向けた事業は未着手のところが多い。ただ、日本旅行医学会はホームページ上の認定医リストに06年から「英語での診察の可否」の項目を追加したほか、受け入れ態勢などを検討。日本渡航医学会もシンポジウムを開催するなど検討を進めている。