「忍者」を通じた日本文化を発信し、観光誘客や地域経済の活性化を図ろうという動きが始まった。数字の「2」と忍者の「ニン」の語呂合わせで制定された「忍者の日」にあたる2月22日、東京都内で開かれたイベントで「忍者元年宣言」が行われ、その火ぶたが切って落とされた。
イベントは「忍者元年宣言〜忍者の2030年を考える〜」で、主催は昨年10月設立された日本忍者協議会(会長・鈴木英敬三重県知事)。
当日は忍者研究の第一人者である山田雄司・三重大教授、ハリウッド映画「Ninja」でヒロインを演じた女優の肘井美佳さん、日本の文化やポップカルチャーを外国人の目線で海外に発信しているダニー・チューさん、元観光庁長官で同協議会副会長の溝畑宏さんが登壇し、忍者の魅力などについて語った。
溝畑さんは忍者の衣装を身に着け登場、会場を沸かせた。忍者の日に向け、各地で行われたイベントを紹介した上で、「集え、ニッポンの忍者たち。忍者力よ今こそ世界に。ニンジャ・ニッポン・プロジェクト」と力強く宣言した。同プロジェクトで、30年までに世界で1億人の忍者ファンクラブ会員の獲得を目標に活動する。
山田教授は「伊賀で講座を行うと毎回100人ほどが集まる。メディアの取材も増えており、忍者に対する注目が非常に集まっていることを感じる」とし、忍者を広く知ってもらうには「地道で積極的な取り組みが必要」とアドバイスした。
内閣官房のクールジャパン官民連携プラットフォームの委員でもあるダニーさんも「2のつく日は忍者の日としていけば、もっと親しむことができるかもしれない」と述べた。
6月12日にお台場で開く「忍NINパーティー」や日本科学未来館で7月2日から始まる「The NINJA〜忍者ってナンジャ」などを通して、忍者を広くアピールしていく。
なお、協議会の構成団体は三重県のほか、神奈川県、小田原市、小田原市観光協会、長野県、長野市、上田市、愛知県、伊賀市、伊賀上野観光協会、滋賀県、甲賀市、和歌山市、佐賀県、嬉野市。