広島市は広島城の魅力を全国に伝えるため、7月に「安芸ひろしま武将隊」を結成。毛利一族に扮した6人が、毎週日曜日、広島城二の丸でオリジナル曲や殺陣を披露し、観光客をもてなす。
全国各地には、約20の戦国武将隊がいるとされる。広島市経済観光局の荒井浩一さんは「安芸ひろしま武将隊は後発だが、最大の売りは、家族構成になっていること。全国的にも珍しい」と強調する。
毛利元就、息子の隆元、吉川元春、小早川隆景、娘の五龍姫、その夫の宍戸隆家を演じるのは、地元を拠点に活動する役者や歌手。武将隊は広島城以外のイベントにも積極的に参加し、地元の人気も上々だ。
武将隊は、民間事業者から募集したアイデアから誕生し、市の「広島城観光振興事業」、県の「民間事業者等のノウハウを活用した誘客強化事業」として採用された。
事業計画では3月末までを活動期間とする。
広島城の年間来客数は20万人。一方、広島平和記念資料館は120万人。今まで市は、広島城を観光素材として生かしきれていなかった。「広島城の知名度は全国的に低い。原爆ドーム、原爆資料館を巡る観光コースに入れてもらい、観光客の滞在時間を延ばしたい」と荒井さんは語る。「原爆投下前まで、広島城は国宝だった。城の中には資料館もある」と武将隊をきっかけに、広島城の魅力を全国に広めていきたい考えだ。
毛利一族の迫力あるパフォーマンス