山形県は8月、県内を巡る着地型の旅行商品を紹介するサイトを新たに立ち上げる。住んでいる人だからこそ分かる地元の魅力を盛り込んだ旅行商品を多くの人に手軽に発信できる場を提供することで、着地型旅行の地元旅行会社による造成、販売を促進し、観光客を誘致する。
着地型旅行紹介サイト「やまがたツアープランなび」は、同県の観光情報サイト「やまがたへの旅」に開設する。着地型旅行を催行する会社は大半が小規模でPRに費用をかけられない場合が多く、効果的に旅行商品を紹介できる場を整備することが喫緊の課題となっていた。「県の観光ページは、検索でも上位に入り、非常に露出度が高い」(同県観光振興課、奥村聡子氏)という利点を生かし、低コストで多くの人に着地型の旅行商品を紹介できるようにした。
現在のところ、10点ほどの旅行商品の掲載が決まっている。来年のNHK大河ドラマ「天地人」の主人公・直江兼続ゆかりの地を訪ねるツアーや野菜収穫体験ツアーなど。県が5月に開いたニューツーリズムの説明会をきっかけに作られた、銀山温泉とそば打ち体験ツアーなども紹介する。今年度は30〜40点の商品の掲載を目指す。
また県を訪れた旅行者や県のメールマガジンの読者を対象に、着地型旅行に関するメールマガジンの会員も募り、新しく掲載されたツアーなどを紹介し、継続的な情報発信を行う。
県では観光関係者を対象にしたニューツーリズムの旅行商品作りの勉強会も企画する。8月から県内4地域で開催予定。原価計算の手法やリスクマネジメントなどを学んでもらい、実際の商品造成につなげてもらいたい考えだ。
奥村氏は「最近は旅行先で自由に行動する観光客が多い。サイトが山形での過ごし方を考えるツールになれば」と期待する。