山形県は来年放映されるNHK大河ドラマ「天地人」の放映に合わせ、官民挙げた観光誘客事業を展開する。来年1月から同県米沢市で博覧会イベントを開くほか、各温泉地ごとにもてなしメニューを用意。天地人をきっかけに観光客に米沢などの天地人ゆかりの地を訪れてもらい、さらに県内各地へも足を延ばして楽しんでもらえるよう工夫する。
同県と観光関連事業者らが20日に東京都内で開いたプロモーションでは、首都圏の旅行会社関係者約40人を前に官民挙げての取り組みを紹介。大河ドラマ「天地人」山形県推進協議会を代表してあいさつした内藤文徳・米沢観光物産協会会長(上杉コーポレーション社長)は、「ロケも始まり、地元としても多くの観光客に来てもらえるよう、努力を進めており、受け入れの準備も整いつつある。今日の情報交換をきっかけに、来年の天地人にかかわる受け入れへさらなるご協力をいただきたい」と訴えた。
同県内の天地人関連イベントの中心となる博覧会「米沢 愛と義のまち 天地人博2009」は来年1月から1年間開催。織田信長が上杉謙信に贈ったとされる狩野永徳画の屏風絵「上杉本洛中洛外図屏風」などを展示し、天地人の時代背景や主人公である直江兼続の魅力を紹介する。
小野川、赤湯、かみのやまなど県内の各温泉地は、兼続が兜の前立につけた「愛」の字に因み名付けたもてなし企画「愛あるおもてなし」を実施する。「山形の食材を生かしたもてなし」「地元の人と触れ合うまち歩き」「体験メニュー」「ゆかりの地や温泉をめぐる二次交通」などを柱に、温泉地ごとに工夫を凝らす。
例えば赤湯温泉では、新しくオープンした観光情報センター「ゆーなびからころ館」で名水の無料提供や赤湯の土産品が当たる宿泊者限定の抽選会を行うほか、フルーツ狩りなどを割安で楽しめる特典手形を1千円で提供する。
各温泉地を代表して各地の取り組みを紹介した須藤清市・東北観光推進機構六社協山形支部支部長(いきかえりの宿瀧波社長)は、「2つの地震やガソリン高騰などもあり、苦戦している状況だが、だからこそこういう時期を乗り切るために地域が力を合わせて頑張ろうと盛り上がっている」と話し、さらなる協力を求めた。
都内でのプロモ