「札幌の奥座敷」として市民や観光客に親しまれている札幌市の定山渓温泉の開湯150周年を記念する祝賀会が5月31日、同温泉地内のホテルで開かれた。主催は定山渓観光協会。関係官庁などの来賓や地元の関係者ら約160人が出席し、節目の年を祝った。
定山渓温泉は、1866(慶応2)年に修験僧の美泉定山により発見され、札幌市とともに発展してきた。市中心部から車で約50分。現在、小金湯、豊平峡地区と合わせて21の宿泊・日帰り施設があり、年間160万人が訪れている。
祝賀会では、同観光協会の金川一男会長が温泉の歩みを説明。「明治の開拓に従事した人たちも利用して疲れをとったのだろう」と述べ、「北海道産業の根幹をなす観光にしっかり力を注いでいく」とあいさつした。
来賓からは、温泉の魅力を生かした特色ある観光地域づくりについて期待を込めた祝辞が寄せられた。また、姉妹温泉の有馬温泉(神戸市)から観光協会の當谷正幸名誉会長が駆け付け、祝杯の音頭を取った。
定山渓温泉では、開湯150周年を記念したさまざまな事業を展開する。4月から来年1月までの間を4回に分け、クイズの回答者から抽選で150組300人を招待する企画を実施。7月末には野外ライブ、ジャズフェスの開催を予定している。6月1日からは温泉街から渓流沿い散策路のライトアップも始めた。毎年恒例の各イベントも150周年の特別企画として実施する。