赤羽国交相、訪日6000万人へ整備重視
菅義偉官房長官が12月7日に「世界レベルのホテル」の新設を支援する方針に言及したことを複数の報道機関が報じた。赤羽一嘉国土交通相は12月10日の会見で、具体的な施策について「官房長官と細かく詰めているわけではない」としながらも、訪日外国人6千万人の実現に重要な環境整備として前向きに取り組む考えを示した。他方で赤羽国交相は、日本旅館など既存の宿泊施設に対する施策も重視していく姿勢を説明した。
菅官房長官は、視察先の熊本県益城町で記者団に、財政投融資の活用で世界レベルのホテルを全国各地に50カ所程度新設することを目指す、との趣旨の発言をしたことが報じられた。
赤羽国交相は、官房長官の発言は承知しているとして、「世界で通用する、世界で有名なホテルが増設できるような、日本の観光施設の魅力を高めていかなければならない」「2030年に6千万人を実現するためには、非常に大事な環境整備」と述べた。
財政投融資の活用手法、開業施設の目標数など具体的な内容については、「具体的な話としては承知していない。財政投融資を利用しながら、大きな案件は資金が足りないということで、そうしたことを言われたのだろう。前向きに受け止めていきたい」(赤羽国交相)。
政府が後押しするホテル開発に伴う既存の宿泊施設との競合などの懸念について赤羽国交相は、「6千万人という全然状況が違う時代を作ろうとしているので、その中で世界のトップレベルのホテルが来ても、日本独自の旅館が競合関係で廃れるということにはならないと思っているし、ならないようにしっかりと政策を進めていかなければならない」と述べた。