嬬恋地熱発電問題で、群馬・草津町が町民集会


「地熱発電反対」と1千人が参加した町民集会=湯畑近くの特設会場

「地熱発電反対」と1千人が参加した町民集会=湯畑近くの特設会場

 隣接する群馬県嬬恋村の地熱発電所建設が実現すると源泉の枯渇につながる、と反対する草津町は7月25日、湯畑近くの特設会場で「草津の源泉を守る町民集会」を開いた。集会には約1千人が集まり、「草津温泉を守り、そして日本の温泉文化を守る」とする決議文を採択した。

 事の発端は嬬恋村が昨年度、地上からのボーリングで穴をあけ、熱水などを汲み上げて発電する地熱発電を重点テーマとしたエネルギービジョンを策定、地熱発電所の建設構想を打ち出したこと。候補地の中に白根山麓の石津地区が挙げられたことに草津町が危機感を持った。

 同地区には草津温泉の主要源泉、万代温泉があり、構想ではこの温泉から3.5キロの地点にボーリングし、1千キロワットの発電を目指すとしているが、草津側は(1)地熱発電の周辺温泉地はことごとく枯渇している(2)地下水源にも異常が起こる(3)地震の頻発とそれによる雪崩や山林の崩壊が各地で起こっている──などを挙げ、建設構想に待ったをかける。

 同日の集会には中沢敬町長はじめ、観光協会、旅館組合、旅館女将の団体・湯の華会のメンバーも参加した。中沢町長は「素晴らしい温泉を後世に残していくことは草津町の使命だ」と、温泉保護の重要性を訴えた。

 決議文は「温泉は人に癒しを与え、活力を供給してくれる貴重なエネルギーの供給源であり、その貴重な資源が地熱発電によって破壊されようとしている」なども明記した。

 同町は決議文を基にした文書を嬬恋村に送る方針だ。

 これに対して、嬬恋村役場の1人は「近隣同士でいがみ合うのは得策ではない。温泉への依存度が高い草津町の気持ちは良く分かる」と述べ、両トップが冷静になって話し合うべきだとの見解を示した。

「地熱発電反対」と1千人が参加した町民集会=湯畑近くの特設会場
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